しらたきと焼き豆腐が、うれしいじゃないか。 これに紅しょうがをたっぷり載せて、七味を振る。 うん。うまい。 これで280円。牛丼より百円も安くて、牛丼にない具が加わって、そしてうまい。 牛丼もおいしいけど、俺は、牛鍋丼のほうが好きだ。 食後のお茶が、またうまい。 ドトールやヴェローチェで隣席のリーマン、おばはんの愚痴を延々聞かされるより、ここでサッとめしを食うほうがはるかに休憩になる。 男たちは無駄口ひとつ叩くことなく、戦闘機が燃料を補給するように、黙々と、ガツガツと、丼を掻き込んでいる。 吉野家は街の社員食堂だ。生きるという仕事を継続するためそのエネルギーをチャージする、万人に開かれた社員食堂だ。心身ともにリフレッシュできる、めし付きの休憩所だ。