1976年の映画があまりにもつまらなく俺はBSプレミアムで録ったその視聴を中途で放棄してしまった。 さて、午後ローで今回録った2006年版である。 またしても石坂浩二で、というのは映画情報に疎い俺でもうっすらとは了解していたはずだが、こうしてフィルム化したものを実際に観ると驚愕である。ありえない。復員したての青年私立探偵としてはあまりに無理がある。って当然みんな思ったろうけど。俺は思ったよ。無理がある。 つまり明らかに市川崑劇場なのだろう。横溝正史の小説を映画化すること、ではなく、1976年市川崑作品のリメイクそれ自体にウェイトが置かれている。 冒頭深田恭子の大根っぷりに辟易した(これは彼女の責ならずキャスティングが負うべき問題)が、あとは最後まで観ることができた。前作よりもたぶん映画としてはよくなっているのだろう。 前作で鼻についた豪華スター総出演的な押し付けがましさが随分減じていたので、それで普通に観れたのだと思う。 富司純子演ずる犬神松子の精神に去来する犬神製薬社長の亡霊、その視覚効果が気持ち悪くてよかった。ヒュンッ! って掠める感じが。