去年の正月の録画をいま頃観た。 面白いわー。評判は聞いてたが評判通りだわー。 MKウルトラっぽい設定があるともうそれだけで荒唐無稽になるはずだけど、肉体に根ざした体技のリアリティー、カーチェイスの迫力がその嘘っぽさをねじ伏せている。 CIAだからって全能の神様じゃない描写もいいよね。異国のシマを荒らす諜報機関は当然に当地の治安機関の助力など得られず、現実的な情報収集を限られた行動力で地味に展開する。この地味さがいい。 そのような不如意、ハンデを抱えた現地組織だから、反撃する一匹狼にもチャンスが生まれる。そういう微妙なパワーバランス設定がまたぐっと来るのだ。 続篇、続々篇が基本成功した一作目の展開を踏襲、反復していることはむしろいい効果を生んでいる。シリーズなのにちぐはぐな印象を与える、統一感のないシリーズ物が多いからね。 二作目クライマックスの怒涛の展開がまたよかったね。駅ビルデパ地下っぽいとこで歩みを止めずに治療道具むちゃくちゃに万引きするとこ、からのー、驚異のトンネルカーチェイス。映画史においてとっくに例はあるのかしら。俺は初めて観た。