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9月, 2020の投稿を表示しています

ジブリ興収推移表

   押井守『誰も語らなかったジブリを語ろう』記載の作品データより作成。 グラフだと千ちひから猫恩への下がりっぷりに目が行くが、数字で冷静に見れば猫はナウシカラピュタの興収を遥かに凌駕している。ジブリのブランド力全体の底上げを如実に示している。 宮崎駿が稼いできたカネを芸術家高畑勲が蕩尽している様子も見て取れる。党中央のイデオローグと労働者農民、生産点の関係を数字は正確かつ象徴的にあらわしている。 尊大な放蕩息子。帰農、勤労の尊さをひとに説き自身は晴読雨読の知識人、その珍しからぬ一典型である。
 
 
最初っからだったけど、最終話もラストカットに至るまでキモさ満天だったデカダンス。 オッサンに恋する少女、の体(テイ)を取った、そういうシチュエイションに恋い焦がれるオッサンの純情物語というみっともなさ、気持ち悪さ。 これってさ、ネトゲで知り合った少女にリアル交際求める中高年の心象風景、欲望そのものなんじゃねえの? 危ねえし悲しいし。 ああ、レオンか。レオンやりたかったんか。俺のいっちゃん嫌いな映画だわ。そりゃ肌合わんはずだわ。 いちいち「ハッ!」「ハッ!」と気づくあの会話の間合いがほんとに錆びついたクリシェで頼むからもうそういうのやめて! ふつーに喋って! 高度なアニメーション、CG技術と内容の薄っぺらさ(いまどきマトリックスリローディッドを焼き直し!)の乖離。もったいねえなあと思う。
 
 

「アジャストメント」

  午後ローで観た。 マットデイモン版マトリックス。統合失調系、この世の真の姿系映画。 よく練られた傑作なんだけど、んー。 どこでもドアーなんだから、「こっからこうしてこれが最短距離でここ全速力で駆け抜けて」みたいな工夫が必要になる次第がよくわかんなかった。まあクライマックスだから走らせる演出は必要なんだけどさ。 しかしまあエミリーブラントがすっごい魅力的(役者も、役も)なんで良い映画です。 婚約二度反古にされるあのひとはかわいそうだけどなあ。
デカダンスの世界構造がますますよくわからない。 ガドル製造工場に忍び込んでガドルを破壊、はいいとして、なんでそれ以外の現役ガドルもまるで蜃気楼のように消えていくの? なんか設定変わってない? 人間世界もアンドロイド達も物理実体なんでしょ? それとも「全部ヴァーチュアル、仮想現実」に変更? タンカー、本物の人間(A群)とアンドロイドの操作する素体(B群)がいるわけよね。闘いなり生活の中で両者接触すんでしょ? 言葉交わすんでしょ? B群がA群に真相教えちゃうチャンスはいくらでもあるよねえ。 そういう疑問もさることながら、ナツメのみならず組長もなんかやることが少女少女してて(ラブレター……)気持ち悪い。もうちょっとシャンとできんのか。

無印のカレー ゲーンパー(森のカレー)

 
 

「わたしは、ダニエル・ブレイク」

日テレ映画天国の録画で観た。 缶詰食いの場面が白眉。 あと一歩及ばずのラスト。なんとしてもダニエルブレイクの無念を晴らしたい、そう観るものに思わしめる。 イギリスですらこれなのだから日本でまともな人権、福祉を求めるなんて夢のまた夢だよ。そう思わしめる嫌な効果も残念ながらある。 給付を受けるため役所の求めるあからさまに無駄な労役、手続き、文書の山(bullshit measureと呼ぶべきか)を俺も経験したからダニエルブレイクの憤りはよくわかる。納得行かぬまま役所の言う通りに動いた結果俺がひとから信用を失う顛末までそっくりである。想像で描いていない。現実をよく取材してある映画だと思う。

無印のカレー ブラウンマサラ

 

新小岩

 Shot on iPhone SE 2020.

無印のカレー、イエロー

 

「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」

午後ローで観た。 一作目同様「雑い」ね。 たぶん現場でその都度定見もなく考え考え撮ってんだろうなあ。 橋梁爆破のシーンなんかがその白眉だね。最前線で軍服も着ず白昼堂々衆人環視の中「爆発物」と書いた箱を。もう酷過ぎて笑う。 拷問音楽のとこだけはちょっと「おっ」と思ったね。ハモニカのひとに「気ィ入れてやれ」って、明らかにPOWにフェラさせてる隠喩だよねあれ。なかなかエグいシーン。 ひどい映画だけどこれが「三体」に影響してるとなるとちょっと見る目が変わる。吸いさしの葉巻。墓穴。瞬時に変わる関係性。いや、ゴミみたいなB級映画からも天啓のようにインスピレーションを獲得できる劉慈欣の才能が凄いんだけど。

無印のカレー レッド