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3月, 2022の投稿を表示しています

ノー・タイム・トゥ・ダイ No time to die

ネットで概ね悪評ばかりの印象があったんで観たら意外に面白かった。うん。先行して悪評ばかりに接していてよかった。 クレヨンしんちゃんだよね、これ。 クレヨンしんちゃんの映画ってダイハードやコマンドーやダブルオーセブンをベースに作られてんだけど、これ逆にしんちゃんの映画に影響受けてる。そんな気がする。 ジェームズボンドがお父さんになる話なんだよね、これ。つまり野原ひろし役。しんちゃんは出ないけどみさえとひまは登場。 お父さんになったからもう行きずりのアヴァンチュールは楽しまないし家族を取り返すために戦う。家族を守るために覚悟を決める。 チームが集まって静かに彼の死を悼む。あれがまたよかった。ジェームズボンドは彼らにとって単なる仕事の付き合い、偶然の同僚ではなかった。友達であり仲間だった。大英帝国の利害よりももっと大きななにものかを守り、それに殉じた。冷笑家が鼻で嘲笑う存在、正義の味方だった。だから彼らはジェームズに惚れ、固い絆で結ばれた。彼らはジェームズの遺志を継ぐはずだ。 そして流れる馴染みの歌。シリーズに対する敬意も込めつつ、ダニエルクレイグの007を終わらせる鎮魂歌としてもふさわしい、感動的な終幕だった。 そう、マルチバースで言えばこれはダニエルクレイグの007シリーズだったのだ。連作としても見事に整合性があり、流れがあり、そしてなにより、終わらせた。完結したからこそ永遠性を獲得したのだ。 CIA(だよね?)の姐ちゃんよかったね。可愛くてエロくて大サービスのアクション。最初にへどもどド素人の如く振る舞うとこが逆のリアリティーを獲得してまたよかった。そうだよね。わたしは超一流のスパイ然と振る舞う方がむしろ背伸びしたい盛りの中二病だ。
 

DUNE/デューン 砂の惑星

  最初から気になっていた「美し過ぎる母親」のもたらす不自然な緊張感が終盤の着替えで「やはり!」と確信に変わる。母は美し過ぎる息子を異性として意識している。 エンドロールでシャーロットランプリングとか流れっから「え! 若い!」って驚いたけどさすがにこの母ではなかった(レベッカファーガソン)。 説明過多を避ける演出が良かったけど、じゃあ面白かったかっていうと。ヴィルヌーヴ監督はブレードランナーの時と同様タルコフスキーをやっているのだろうからこれはどうしてもアートフィルムだ。要素を極限まで絞った画面構成。やや退屈なお能。 俺はタルコフスキーもデューンの原作も観てないし読んでないのでやはりこの映画化がよくできたものなのか真贋軽重を測りかねるとこがある。 スターウォーズ、ナウシカがデューンの多大な影響下にあることは今回よくわかった(俺はリンチのデューンも観てない)。砂漠。ひとを操るフォース。王蟲(はもちろん絶対ウォームから来ている)。マスクをした砂の民。侵略者に殺される王。風を読むお世継ぎ。が、皇帝に復讐を果たす流離譚。 墜落、は監督のモチーフであろうか。 「驚くのはこれからよ」で話が終わる。あれあれ。ほんとに導入部で展開もなく終わってしまった。興収大丈夫なのだろうか。続きは作られるのだろうか。
 
 
録画してあった 「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」を観た。 数学の話かと思ったら純然たるホームドラマだった。 全力で数学への言及を避けるストーリーテリングに「じゃあやるなよ!」と叫んでしまった。 キャサリン、わざわざ紛らわしいことすんなよ。で終わる映画。 https://amzn.to/3Km007V