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7月, 2023の投稿を表示しています

「ブレット・トレイン」Bullet Train, 2022.

  アマプラの配信 で観た。 クソ女をちゃんとぶっ殺してくれたのでよかった。最も憎たらしい奴をなぜかもてはやして次回につなぐ、的な扱いの作品はままあるので、そうならなくてヨシ! 誰だよこのブスとか思ったらサンドラブロックでこれつまりメイクがひどい。上述の娘が異様に不細工(つかリアルサンダーバードか! 作り物人間みたいで気持ち悪い)なのもたぶんそれのせいだろう。 殺し屋兄弟のどーでもいー話が長くてウザくて放棄しかけたけどトーマス云々はそれが物語上のエレメントで必要だったし、なんにせよ真田広之の大フィーチャー(主役と言ってよい)! 座頭市ばりの剣戟に大興奮ですよ。米原だかどっかで乗り込むとこからカッコイイ。このフィルムにはレジェンド真田広之に対するリスペクトが十全に感じられる。放棄せず最後までちゃんと観てよかった。 クライマックスで流れるヒーローもグッド。クソダサい選曲が爆笑、興奮に相転移する愉悦、マジック。

「シン・仮面ライダー」2023.

 今日から アマプラで公開 。観た。 んー。 ネルフ本部。人類補完計画。家族。鉄道。貨物。操車場。宇部。式日。風呂。弾ける綾波。シンゴジ。シンウル。 豊富な参照。まあそういうのは俺は観てて楽しいです。楽しいけど、んー。 もっとやれたでしょ!? 感が。割とみなそうだったんじゃないかな。俺はそう思った。え、庵野さん、こんなもん? 予算ですかねえ、結局。予算内ではまあこんなもんかと。 観ながら忖度というか補完しまくりだったねなんか。俺はグラボか。リアルタイムレイトレーシングか。 例えばこんな会話が欲しかった。「必要な資材、武器、食料、人員、生活費行動費は可能な限り調達する。なんでも遠慮なく言ってくれ。我々日本政府は君らを全面的にサポートする」 「なんでそんなによくしてくれるんです」 「ショッカーと戦える軍事力、暴力装置が現状他にないからだ。我々には選択肢がない。君らが負ければ人類は滅びる。だから君らに賭けるしかない。政府として持てるリソースすべてを君らに注ぎ込むのはつまり我々人類のエゴイズムだ。君らは命を賭けている。感謝は不要、当然の対価として受け取って欲しい」 で、シャワー付きのキャンピングカーどころかアジトとして不自由のない居宅を用意する。それが当然でしょ? なのになんで野宿(ターフすらない!)とか田舎の集会所とか? 風呂も入らず着替えだけで済ますふたり。悪臭が伝わってくるようで話に集中できねえよ(これも庵野氏の作家性だよね。シンゴジでもシンウルでもやってた。なんだ、風呂入らないフェチ?)。 綾波だったらあんなすっぽりお着替えせず堂々平然と脱ぎだすよね。綾波が急にアスカになる。式日(しきじつ)のセルフオマージュなのでヒロインの二重人格はしょうがない。 女を描くのが下手なのかなあ? とも思う。いや、単に「俺の好みじゃねえ」ってことなのかもしれないけれども。 不世出のキャラクター綾波レイはつまりそういうことなのだ。ボロが出るから、喋らせないようにした。黙ってりゃ男の方で誤解して勝手に謎美女にしてくれるから。今回実写版綾波レイ然として出てきた浜辺美波が見事にそこらへんの構造を暴いてしまった感じだ。口を開いたらアスカ。ぎゃあぎゃあぴーぴー、結構つまんねえ女だ。 シンエヴァも本作もそうなんだけど、やたら家族家族、家族愛、親、ちちははの愛みたいのにこだわりまくるのは生育において欠

「AIR/エア」Air, 2023.

 アマプラで観た https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B8TKFW4D/ref=atv_dp_share_cu_r 。 ビヴァリーヒルズコップもサントラのモチーフに使用されてて嬉しかった。 「ああ駄目だ、全然訴求してない」とアイコンタクトが飛び交いビデオを止めソニーが捨て身の演説をぶつ流れはアルゴのクライマックスにも通じるし、また前半で語られていた「草稿になかった演説」でもある。聴衆に訴求していないことに気づいたキング牧師と同じ行動。 ラスト社長がスウォッシュ35ドルなど語る件りはあからさまに蘊蓄(うんちく)披露(社員ならとっくに知ってる基礎知識だろう)だったがこれもベンアフの作家性、資料収集とその開陳に傾ける情熱の現れであろう。「勉強になるなあ」とナイキ無学なこちらは感心しきりだ。
 

「カラーパープル」The Color Purple, 1985.

BSプレミアム171215の録画をいま頃観た。ようやっと観た。 二時間半ある。努めてコミカルに語ろうとしているが内容はどう考えたって不愉快極まりない残酷の連続である。黒人であり女性であることの不遇。とてもじゃないが通して観ること能(あた)わなかった。毎日概ね10分ずつ観てようやく消化した(悲惨を糖衣でまぶして飲みやすくしようとした、その演出のせいで逆に見るに堪えなくなっている疑いもある。脳が戸惑うのだ)。 最後の三十分でようやくスピルバーグ節、やられてばかりの主人公が反転攻勢に出る流れは最後まで通して見れた。 父に犯され子供を二人も産まされる衝撃の出だしが終盤でなんとか穏当な形で回収されるのが救いである。それがなかったら完全に根本敬ワールドだ。 横暴亭主と市長の妻をぶっ殺す件りがなかったのは画竜点睛を欠くが勿論それをやったらアカデミー賞は獲れない。いや、獲れなかったんだけど。 最も重要なエレメントである手紙の処理が雑に感じた。これは監督ではなく原作小説に起因する瑕疵だろうが。生活全般がだらしなく無能なアルバートが嫁いびりにだけ異常な丁寧さ有能さを発揮できるものなのか? 音信不通であれば妹は早期に別の方策を採るものではないのか? 終盤がやや駆け足に小説のダイジェストっぽくなっているのが小説を読んでない俺にも感じられた。シャグと牧師の和解がセリーの物語に闖入(ちんにゅう)しているようなバランスの悪さ。「え? なんの話?」っていう(急にミュージカルが始まるので戸惑うが、ウエストサイドストーリーを後年手掛けるその嚆矢となっている)。 大好きなレイドーンチョン(コマンドー)出演がうれしい。