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「カラーパープル」The Color Purple, 1985.

BSプレミアム171215の録画をいま頃観た。ようやっと観た。
二時間半ある。努めてコミカルに語ろうとしているが内容はどう考えたって不愉快極まりない残酷の連続である。黒人であり女性であることの不遇。とてもじゃないが通して観ること能(あた)わなかった。毎日概ね10分ずつ観てようやく消化した(悲惨を糖衣でまぶして飲みやすくしようとした、その演出のせいで逆に見るに堪えなくなっている疑いもある。脳が戸惑うのだ)。
最後の三十分でようやくスピルバーグ節、やられてばかりの主人公が反転攻勢に出る流れは最後まで通して見れた。
父に犯され子供を二人も産まされる衝撃の出だしが終盤でなんとか穏当な形で回収されるのが救いである。それがなかったら完全に根本敬ワールドだ。
横暴亭主と市長の妻をぶっ殺す件りがなかったのは画竜点睛を欠くが勿論それをやったらアカデミー賞は獲れない。いや、獲れなかったんだけど。
最も重要なエレメントである手紙の処理が雑に感じた。これは監督ではなく原作小説に起因する瑕疵だろうが。生活全般がだらしなく無能なアルバートが嫁いびりにだけ異常な丁寧さ有能さを発揮できるものなのか? 音信不通であれば妹は早期に別の方策を採るものではないのか?
終盤がやや駆け足に小説のダイジェストっぽくなっているのが小説を読んでない俺にも感じられた。シャグと牧師の和解がセリーの物語に闖入(ちんにゅう)しているようなバランスの悪さ。「え? なんの話?」っていう(急にミュージカルが始まるので戸惑うが、ウエストサイドストーリーを後年手掛けるその嚆矢となっている)。
大好きなレイドーンチョン(コマンドー)出演がうれしい。

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