映画「オデッセイ」が面白すぎたので勢いで買ってしまった。
予想に違わず原作小説も面白かった。
[以下、小説の感想です。全篇ネタバレです。]
全篇唸る面白さなのだけれど、俺が白眉と感じたのはクレーターのリムで対称性の破れに気づくシーン。
衛星画像がなければわからないことをどうやって地上に孤立した人間が気づけるのか? この大ネタを説得力ある合理性で描写しきったことに感嘆した。
小説中最大の山場ともいえるこのシーケンス、映画ではバッサリ抜けている。そしてそのリドリースコットの判断は全く正しいものだ。小説が、言語の饒舌が得意とする愉悦は小説に語らしめればいい。
原作と映画の関係は本作の場合たぶん幸福な相補関係にある。テクニカルなアドバイスをNASAから受けた上でと思われる幾つかの改変があるが、作者アンディーウィアーの気持ちはワトニーのそれと同じものであるはずだ。
「NASAには頭のいい人間がたくさんいる。なんでも自分でやってきた日々が懐かしいけど、天才集団が導いてくれるのならそのとおりにした方がいい」
絶体絶命の危機からワトニーを救ったリッチパーネル。この第二の主人公と言っていい魅力的な人物に邂逅して気がついた。ジョージルーカスがジャージャービンクスでやりたかったことって、きっとこういうことだったんだと。
動作に落ち着きがなく身なりはダサく空気を読めず友達もいない。しかしそんなまるで魅力のないキモい嫌われ者が信じられない有能で危機を打開し一躍ヒーローになる(安彦氏が創造したキャラクター安室零も本来この系譜に属する)。
リッチもジャージャーもまったく同じキャラクターなのに、ジョージルーカスはその造形に失敗しちゃってんだよね。
だからあれだ。エピソード1はリドリースコットが監督すべきだったんだよ、ほんとは。
予想に違わず原作小説も面白かった。
[以下、小説の感想です。全篇ネタバレです。]
全篇唸る面白さなのだけれど、俺が白眉と感じたのはクレーターのリムで対称性の破れに気づくシーン。
衛星画像がなければわからないことをどうやって地上に孤立した人間が気づけるのか? この大ネタを説得力ある合理性で描写しきったことに感嘆した。
小説中最大の山場ともいえるこのシーケンス、映画ではバッサリ抜けている。そしてそのリドリースコットの判断は全く正しいものだ。小説が、言語の饒舌が得意とする愉悦は小説に語らしめればいい。
原作と映画の関係は本作の場合たぶん幸福な相補関係にある。テクニカルなアドバイスをNASAから受けた上でと思われる幾つかの改変があるが、作者アンディーウィアーの気持ちはワトニーのそれと同じものであるはずだ。
「NASAには頭のいい人間がたくさんいる。なんでも自分でやってきた日々が懐かしいけど、天才集団が導いてくれるのならそのとおりにした方がいい」
絶体絶命の危機からワトニーを救ったリッチパーネル。この第二の主人公と言っていい魅力的な人物に邂逅して気がついた。ジョージルーカスがジャージャービンクスでやりたかったことって、きっとこういうことだったんだと。
動作に落ち着きがなく身なりはダサく空気を読めず友達もいない。しかしそんなまるで魅力のないキモい嫌われ者が信じられない有能で危機を打開し一躍ヒーローになる(安彦氏が創造したキャラクター安室零も本来この系譜に属する)。
リッチもジャージャーもまったく同じキャラクターなのに、ジョージルーカスはその造形に失敗しちゃってんだよね。
だからあれだ。エピソード1はリドリースコットが監督すべきだったんだよ、ほんとは。
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