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11月, 2022の投稿を表示しています

「ゴッドファーザーPARTⅢ」The Godfather Part III, 1990.

amazon prime「ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期」  午後ロー181226の録画をいま頃観た。 パート2(1は観てない)を観た上で言うとちょっと気が抜けた感じがあるかな。特に語るべきこともないコルレオーネ一家の後日談、そんな感じがした。2の出来が良過ぎたのだ(歴史感、重厚感)。 マフィアと癒着したバチカンの腐敗なるものが描かれていて「え、いいの?」とか観客ながらに老婆心が出てしまった。でも「その腐敗を根絶する気満々の新司教爆誕(&腐敗勢力に殺され)」という流れだったので映画の構造的にバチカンからの抗議はかわせるようにはなっていたのかな、とも思った。それともこれに似た現実の事件でも先行してあったのだろうか?(追記:  wikipedia に拠ると確かにそうらしい) コッポラの娘の造作がまあアレで「ああ、ねじ込んだのね」とか思ったが観ていると演技は意外によかった。特に「惚れた男にあからさまにつきまとうギンギンに発情したメス」感をリアルに出せていた。現実にああいう光景を見たことがあるので「うん、こういう感じだよな」と頷いた。 1990年の作品。2からずいぶん空いたんじゃないの?(追記: 16年) そこらへんも勢いを失った感の理由なんだろうなあとか思った。
 これはうまい。リピ商品。
 

「トップガン マーヴェリック」Top Gun: Maverick, 2022.

 前作の面白さがあんまよくわからなかった(し軍に阿ったリクルーティング、情宣映画の色彩が強いと思った)んでなぜこの続篇が結構盛り上がってた(少なくとも俺のツイッタータイムライン上で)のかもいまいちピンとこなかった。 レンタルで一応観た。 タイトルロールでブラッカイマーの名を目にして早くも萎える。 海辺の大衆食堂シーンが長くてなんかやんなっちゃった。俺の苦手な青春群像ものじゃないですか。興味ゼロ。 つかおかしいんだよね。トップガンの精鋭っちゅうことは現役のエースパイロットなわけでしょ? どいつもこいつも新兵の顔してて、しかもそれが他国侵攻作戦としては相当に攻めてる重大任務に就くって。 ウラン濃縮工場てそんな爆撃とかして大丈夫? 実写版スターウォーズだったね。変な言い方だけど。トレンチラン。プロトン魚雷。 トムクルが撃墜されてからの付録っぽい件りがむしろ面白かった。消火作業でてんやわんやの滑走路。作業のふりして戦闘機強奪。木の葉返し的動きで後ろを取る敵戦闘機、敵パイロットの描き方など、「高い技倆の者はそれだけで尊敬に値するのだ」感。嫌味なあいつが危機一髪を救ってこじれた感情がほぐれる結末もとてもよかった。 青春ドラマ&食堂おばちゃんとの恋愛全カットして1時間40分作品にしてもらうとグッとよくなると思いました。 驚きはメイキングを見てからで、自分でスタントやりたい病のトムクルのみならずトップガンズ面々の俳優さんも訓練受けて実際に飛ばしてのその映像なんだと! まさかトレンチランはやらしてないとは思うが(やったの?) そこまでの努力を注いだ迫真の映像! っていうほどには見えなかったのがまあ驚きである。グリーンバック合成でもよかったんじゃない? とか思っちゃった。 ウィキペディア
 ごはんですよスティックは便利。
 

「シン・ウルトラマン」2022.

 アマプラの配信が18日から始まったので観た。 うん、ふつーによかった。 まず冒頭と末尾の処理がよかった。 映画一般のなにがつまらないってだいたい最初の二十分くらいでくだくだしく人物、作品世界を説明するところにある。迂遠なドラマ仕立てで(朝ごはんとか食わせちゃったりして)。非常に退屈でダレる。だったら! もうカンカンカンと文字で、止め絵で全部言っちゃおうと。1分くらいで。これはなかなか思い切った、割り切った演出でよろしい。 そして末尾も。青空やら夕日やら決意表明やら、余韻たっぷりのクリシェを全カット。なんか知らんけどパッと帰ってきた! よかった! 終わり! この潔さ。よい。 二番目によい所は音楽。オリジナル音源でほぼ通したのがとてもよい。 こういうときにやりがちなオッサン仕草が「ヤングに受けるナウいサウンドを」。その慣れない努力が作品を短命にする。ほんの数年で「プッ。ダサい」となる。その弊を免れている。賢明な判断。 三番目によいのはまあまあの短さ。1時間50分。要素山ほど詰め込んで二時間半、とかじゃなくてよかった。 フェティシズムの映画でしたね。ビジネススーツ女子への偏愛。シンゴジのときに既にほの見えていたが今回フルバーストで突っ走った感じだ。なんせ巨大化までさせるし。それを下から舐めるように撮る。ほぼ盗撮の目線。果ては風呂に入らせず匂いを嗅ぐ。メフィラスさんの変態呼ばわりも至当としか言いようがない。 本作においてザラブたち外星人は「三体」で描かれた宇宙社会学を基本、共通認識としているように見える。物騒な社会観である。曰く「知的生命体をよその星に見つけたら即刻駆除せよ。殺られる前に殺れ」。相手が知的、科学的に数千、数万年遅れていることは安心、躊躇の理由にはならない。技術爆発。知的生命体は油断しているわずかの間にこちらを凌駕する可能性があるのだ。 なんと光の国もとい光の星もその銀河常識に与している。地球を守る正義の星でもなんでもないのだ。ゾフィーはおろかそもそもウルトラマンもそういうつもりで地球に来た。曰く、裁定者として。 裁定者と言えばナウシカ七巻の巨神兵。推進原理も同じ(空間を捻じ曲げて飛ぶ)。確かにそういう飛び方(勢いなどつけずいきなりスッと上昇)が映像化されていてとてもよかった。 ラスト、6秒の勝負もよかったね。映画史において前例は案外なかったりするんじゃない

「仮面ライダーブラックサン」2022

 演出はまあまあひどいし脚本も練り込みが足りない。力足らずの役者さんもいる。学生自主映画のようにぎこちない間が、空白が、スが入る。テンポも悪い。 でも、しかし。 これはテレビでは不可能な、配信で可能となった野心的試みであり相当に攻め込んだ内容であることは間違いない。 見まいとしてもSNSで容赦なく概要、輪郭は漏れ伝わってくる。曰く、「もやもやする終わり方」。なのでそれを覚悟していたら、いや、けしてそんなことはなかった。みんないい方向に俺をミスリードしてくれた。 光太郎は本懐を遂げた。葵と力を合わせて創世王を倒したのだ。納得できる堂々たるエンディングではないか。 「おじさん。戦い方を教えて」。まさか戦闘訓練の所作ひとつひとつが非常に具体的な形でクライマックスにつながるとは思わなかった。脚本に多く不満がなかったわけではないがこの件りは文句なく見事であった。 勿論「もやもやした」理由はわかる。ゴルゴム党は首をすげ替えただけで政権与党の座を守った。怪人差別は変わらず続いている。だがその理由は、俺たちの現実がまさにそうだからだ。監督は悪が倒れ平和が戻ったなる偽りの大団円を許さなかった。葵はリモートで国連に登壇し人々を真正面から面罵する。「いまへらへら笑って見てるお前! お前が差別を許してるんだ! 悪はお前だ! この世を地獄にしているのはお前らだ!」 彼女は銃を執り武装する。一片の妥協もなき世界革命戦争を準備、開始するために。それを批難、批判するのは容易い。ならば言おう、君らお得意のセリフで。「対案は?」。なおも言おう。君らは笑っていたではないか。デモで社会は変わりませーん、演説で平和は訪れませーん、と。だから彼女はサラコナーになった。「相手を殺す気でやれ!」と教官は戦士を叱咤する。デモを請願を演説を一顧だにしなかったお前ら差別主義者に、右でも左でもないフツーノニホンジンに、葵を責める資格など一片もありはしないのだ。 彼らの戦いは我らが受け継ぎ、我らの戦いは君らが引き継ぐ。 我らは遠くから来た。そして、遠くまで行くのだ。 全学共闘会議の、忍者武芸帳のスピリッツを2022年に堂々圧し出した監督の心意気を、俺は全面的に支持する。 満洲から続く堂波家三代目がいとも簡単に斃れた。その情景はつい先日我々が現実に見た光景そのものだ。このシンクロニシティーは単なる偶然か? そうではないのだ。
 
 半年ほど下駄箱にしまい込んでたadidasのSuperstar、履こうと思ったらトウのシェルと底のゴムが真っ黄色。わー! と哭きが入ったが外に履いて出たら多分五分とかからずに元の白さに戻った。 外気のおかげ? 日光? ググると「ソールのゴムは太陽光で黄色く変色する」とか書いてあるんでもうどっちなんだよ。 まあともかく結果オーライ。お気にの靴は大事大事に保管などせずどんどん履き潰していくべきだね。それが今回の教訓。 adidas SUPERSTAR