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「シン・ウルトラマン」2022.

 アマプラの配信が18日から始まったので観た。

うん、ふつーによかった。

まず冒頭と末尾の処理がよかった。

映画一般のなにがつまらないってだいたい最初の二十分くらいでくだくだしく人物、作品世界を説明するところにある。迂遠なドラマ仕立てで(朝ごはんとか食わせちゃったりして)。非常に退屈でダレる。だったら! もうカンカンカンと文字で、止め絵で全部言っちゃおうと。1分くらいで。これはなかなか思い切った、割り切った演出でよろしい。

そして末尾も。青空やら夕日やら決意表明やら、余韻たっぷりのクリシェを全カット。なんか知らんけどパッと帰ってきた! よかった! 終わり! この潔さ。よい。

二番目によい所は音楽。オリジナル音源でほぼ通したのがとてもよい。

こういうときにやりがちなオッサン仕草が「ヤングに受けるナウいサウンドを」。その慣れない努力が作品を短命にする。ほんの数年で「プッ。ダサい」となる。その弊を免れている。賢明な判断。

三番目によいのはまあまあの短さ。1時間50分。要素山ほど詰め込んで二時間半、とかじゃなくてよかった。

フェティシズムの映画でしたね。ビジネススーツ女子への偏愛。シンゴジのときに既にほの見えていたが今回フルバーストで突っ走った感じだ。なんせ巨大化までさせるし。それを下から舐めるように撮る。ほぼ盗撮の目線。果ては風呂に入らせず匂いを嗅ぐ。メフィラスさんの変態呼ばわりも至当としか言いようがない。

本作においてザラブたち外星人は「三体」で描かれた宇宙社会学を基本、共通認識としているように見える。物騒な社会観である。曰く「知的生命体をよその星に見つけたら即刻駆除せよ。殺られる前に殺れ」。相手が知的、科学的に数千、数万年遅れていることは安心、躊躇の理由にはならない。技術爆発。知的生命体は油断しているわずかの間にこちらを凌駕する可能性があるのだ。

なんと光の国もとい光の星もその銀河常識に与している。地球を守る正義の星でもなんでもないのだ。ゾフィーはおろかそもそもウルトラマンもそういうつもりで地球に来た。曰く、裁定者として。

裁定者と言えばナウシカ七巻の巨神兵。推進原理も同じ(空間を捻じ曲げて飛ぶ)。確かにそういう飛び方(勢いなどつけずいきなりスッと上昇)が映像化されていてとてもよかった。

ラスト、6秒の勝負もよかったね。映画史において前例は案外なかったりするんじゃないか。コンマいくつの時間の自在な引き伸ばし演出。

怪獣の出現は「人類が外宇宙に進出する力量(核エネルギー段階)にまで達したことを周辺宇宙に伝える警告アラーム」として機能してるらしき設定も面白かった。一本筋が通る。

神永氏が猛烈な読書を始める描写はなくてもいいかなと思った。戻って手を振ったくせに同僚を忘れてるとか、なのに公安時代のつて、知人は覚えてるとか、ちょっと設定のつめ、練り込みが足りないような気がした。完全記憶喪失? そういうわけでもないんでしょ? どっちなの? いう。

早々に正体がバレる(全地球的に)のは面白かったけど。

なんたらマシンの件りがちょっとよくわかんなかった。結局式典会場で盗んでんだから「所在を突き止めるため匂いを」って要らなくね? まあ嗅ぎたかったんだろうけど(理由を捏造してまで!)。

冒頭「シン・ゴジラ」のタイトルが掲げられることと菊の紋を付けた竹野内豊が出演することの意味は? シン・ゴジラと同じ世界線の話には見えない(ゴジラへの言及がまったくない)のでマルチバースと解した方がよいのだろうか。若干の被りはあるというような。


公式サイト

アマプラリンク


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