スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

2月, 2013の投稿を表示しています

It's a good day to Die Hard.

タイトルがいいよね。死ぬにはいい日だ、ダイハード。 以下感想です。 おーもしろかったー。すっげーよかった。映画って、こういうのでいいんですよ。 正義とは何か? とか、主人公悩まなくていいんです。変なピエロの口車のって。 カネのため権力のため生活苦からくる憂さ晴らしのため平気で人を殺す連中、それはもう無条件にバッドガイなわけです。ばんばん殺していーんです。ぶち殺せ、皆殺しにしろとちょーし乗って叫んでるキチガイレイシストの群れはジョンマクレーンにマシンガンで掃討されていーんです。イピカイエ、マザファカ。殺される痛みと恐怖を味わえば自分の愚かさに少しは気づいてから成仏できるでしょう。 プリピヤーチの単語が出たとき「ああ、近くだな」と思ったけど、ストーリーに大ネタとして絡んでくるとは全然思わなかった。予備知識ゼロで面白い映画を見ることは最高の愉悦であります。 こういうの撮れるようになんないと駄目だよね、日本も。なんつーか余裕ってもんが違う。 「毛が抜けるくらいだろ」に笑った。このケンチャナヨ精神がいいよね。 「不謹慎な! 子どもたちがいったいどんな目に遭ったか!」とか被災者でも関係者でもねーのに目え吊り上げて講釈たれやがる暇ババアをガン無視してこういうエンタテイメント撮れるようになんなきゃほんと駄目だと思う。ポンニチも。 相馬の駐在所に勤続30年のおまわりさんが福一を舞台に、たった一人で(バディーコップがいてもいいか。配管設備を隅々まで知悉した東電下請け工。)田母亀一家、片山機関のクーデターを叩き潰す痛快アクションエンターテイメントがつくられるくらいでないと、ほんと日本もまだまだいかんと思うのであります。 ジョンムーアの名を目にしてもなお「なんか聞いたことあんなあ」でニューロン発火にまで至らなかったが、エネミーラインの文字を見てようやくああそうかと納得。庵野秀明の映像の快感にも通じる、あの畳み掛けるような無人機の描写。たしかにエネミーラインの文法だ。 ジョンマクレーンの登場で不可逆的な何かが起こったのだと思う。板橋銀座商店街で買ったおっさんの服着たおっさんが土方の筋肉と胆力(キモ、と読む)で、男度胸の裸一貫、ない知恵絞って悪党どもと大立ち回り。マント着て空飛んだり特殊能力持ってたりのマーベルヒーローはもう色褪せてしま

特別鼎談 谷口ジロー×川上弘美×久住昌之

久住 …。そしたら今の病院の食事って、おいしくて(笑)。 久住 …、食べ物のマンガで食べているシーンって、濡れ場というか……セックスシーンなんですよね。  久住 語尾も変えないどころか、たとえば「焼き肉の鉄板から見上げた井之頭五郎の顔がナントカだ」って書くと、鉄板から視線がこう見上がってるの、ちゃんと。すごいの、本当に。何気なく書いたようなものが、克明な絵になっているのに驚きましたね。  TVドラマ第8話「神奈川県川崎市 八丁畷の一人焼肉」の鉄板越しのゴロさん。カメラワーク凝ってるな、頑張ってるな、と思ったら、つまりは作り手の強いリスペクト、あふれる原作愛なのでした。  この原稿、必読じゃん。重要発言てんこもり。  だめだよ、キンドル版。新装版所収のこの鼎談抜きにして「キンドル版新装版」て。大事なもん抜けてるじゃん。作品理解の上で外せない第一級資料だよ。  紙の新装版は使用している紙も印刷も図抜けて素晴らしい。谷口画伯のペン書き生原稿をそのままに見ているような迫力。買ってよかった。宝物。『孤独のグルメ』ファンのマストアイテム。それに比べてキンドル電子書籍版のぼやっとしたデータ量ケチり具合。そしてこの編集の雑。  ほかの電子マンガもおしなべてそうなのだろうか。あとがき付きのマンガは多い。それがみんな電子版はばっさり削られているのであればアマゾン漫画をなめている。電子書籍の前途は大いに暗いと言わなければならない。  いい仕事してる再発盤って、リマスタリングエンジニアの名前がちゃんとクレジットされてたりする。アマゾン電子書籍の場合、その版元ってどうなんだろ。扶桑社? アマゾン? 廣済堂? スキャニングは誰がいつどのように行なったの?  このピクセル濃度、収載選択。電子版はいい仕事してない。そしてその責任の所在を明らかにする奥付けが電子版には見当たらない。

東京マラソン

今日は風が強くて寒かったからランナーも大変だっただろう。 浅草橋北口にいい感じのサンマルクカフェが出来ていた。キャパ、収容席数を確保しながら、マクドナルドのような詰め込み空間にはなっていない。 椅子にはちゃんとクッションが張ってある。スタバみたいに回転数を上げるための意地の悪い木の椅子じゃない。分煙もきちんとしている。ボーズの天井埋め込みスピーカもカフェのBGM用として十分な音質を確保している。 ジャズが静かに流れている。 あたたかいチョコクロは至福のお茶うけだ。これでコーヒー、ライトローストのも入れてくれたらサンマルク、最強である。

特別編 東京都内某病院のカレイの煮つけ

  10年経つとさすがに絵柄に変化がある。看護婦……もとい、看護師さんがやや萌え顔。 「でも先生言ってましたよ。いい体してるって」 「え?」 「なにかスポーツやってらっしゃるんですか?」 「いや。今は軽いトレーニングぐらいですが田舎にいた頃に少し…」 「え、何を?」 「育ての親だった祖父が古武道の館長でしてね。高校くらいまで毎晩、こってり絞られたもんです」   この僅かな会話の中に、これまでなにかの偶然にたまさか開示されるしかなかったゴローさんの基本情報が実は恐ろしく濃密に語られている。解き明かされるたくさんの謎。大食いなのに太らない理由。暴力を苦もなく組み伏せる強さのわけ。幼少期の事情。強いられた孤独が強いた孤食の嗜好。女性にモテる男なのに絶対に一線を越えさせない強固なATフィールドの所以。   石神井公園でくつろぐ姿もある種伏線であったことがわかる。なぜ懐かしむのか。過去を懐かしんでいるからか。否。そのような過去が、親子の行楽という記憶がないからこそ、ゴローさんはそれを無限遠の到達できない理想として懐かしんでいたのではないか。   古武道はゴローさんに暴力をはねのける力と逞しい肉体を与えたけれども、しつけの厳しい祖父との食事はゴローさんにとって苦痛なのではなかったか。大山町で瓦割りの写真に顔をしかめたのも、粗暴な主人を組み伏せたのも、口うるさい武道家であった祖父への嫌悪がその背景にあるのではないか。などと、想像を逞しくする。

第17話 東京都千代田区 秋葉原のカツサンド

ウォークマンが並んでたり「うわあ。これみんな携帯電話かあァ」言ってるマシンがどう見てもトランシーバーで「なにかがおかしい」と思ったら、初出は1996年3月なのでした。 この人達はここで買って…何をするんだろう? 何を作るんだろう。  缶コーヒーでも買って、どこかベンチか何かで食べよう。  そうだ。駅の向こう側に広場があったな。  こういうの好きだなシンプルで。ソースの味って男のコだよな。 広場はあるけどベンチはない。 ゴローさんにとってこの街は不可解であり、街もまたゴローさんを受け容れない。座りの悪い場所で彼は缶コーヒーを開けひとりカツサンドを頬張る。食事はおいしいのに、ゴローさんの姿は寂しげに見える。

Muse Note

録ってあったのをなにげに初めて聴き流してたら途中からもう耐えられなくなってファイルを消した。 シマブクロヒロコというひとのフレンドリーなしゃべりが、もう……。 身近にいたら絶対大喧嘩、トラブルになりそうだ。「だからなによ結局!」とか言っちゃいそう。 たぶん一般男子からするとそばに置いておきたい心地良い女子なのだろうけれども。

第15話 東京都内某所の深夜のコンビニフーズ

「ふふ。ちょっとした夜中の定食コースだぞ」 「1892円になります」 「このきゅうりうまくないな」 俺…いったいなにやってんだろ。 深夜の事務所めし、満足と懐疑。 これが新しい生き方! ノマド! といった、大衆を睥睨する選良の傲慢からゴローさんは遠い。 普通の人生から外れてしまった寂しさを、気負いも強がりもなくゴローさんはひとり淡々と受け止める。

ハウルの動く城

いま頃全部観終わった。初めてちゃんと観た。 冒頭から風吹きすさぶ山の寒々しさが凄い。ソフィーの感じる寒さが俺にじかに伝わってくる。宮崎クオリティーならではのリアリティー。 ある瞬間から魔法で老人にさせられてしまったら? ひとはわりとそれに、その肉体に内面までも速やかに順応してしまう、というのはなんだかわかる気がする。そういう運命に遭えばそれは所与の現実なのだから、受け入れる以外の選択肢はないのだ。 気がついたら生きてて30過ぎたら老化しだしいいとこ百年で死ぬ。そういうルールの魔術空間に放り込まれた、と解釈しても間違いないはずである。俺たちの実人生自体が。 第一次、第二次大戦の軍人の生身の、白兵のリアリティーがまた良かった。銃剣で民家に押し入る描写とかね。超絶軍事マニアの反戦主義者という特異な才能がまた本作においても発揮されていた。 ホルスの大冒険で言えば迷いの森、漫画ナウシカで言えば心でしかたどり着けない青き清浄の土地、千ちひで言えば中道電車、にあたるあの流星雨のシーン。VSOPはむしろ大切、必要だとよくわかる。手慣れた得意技、テンプレートを持つことは作品ごとの労力を軽減するし、その得意技を毎回より進化させることにリソースを割けるからだ。 踊る妖精の東欧アニメのような描写は後続する作品にも影響を与えただろう。 よくわからなさがますます進行していることは単に制作進行の不如意からくるものだとしても、老練の技術は作品の破綻をカバーしむしろ受け手の想像の間口を拡げてくれている。各人好きなように解釈すればいいのだ。俺は楽しめた。いい作品だと思った。 タレントの声優起用に賛成しないけど、キムタク、いい仕事してたと思う。すくなくともぶち壊しにはなっていなかった。 エンドロール、どうでしょう軍団大フィーチャーに笑った。 追記:俺の印象批評はこちらの制作裏話の面白さにまたしてもかすりもしませんでした。 http://d.hatena.ne.jp/type-r/20130104

終わった

ああ。ねえ。 https://twitter.com/montagekijyo/status/299511033771458560 「一部の劣悪な部分だ」ということにしたいのだろうけど、どうなんかねえ。 なんとか太郎とかかんとかレイとか、それに連なる連中は少なくとも同質、同レベルなんじゃないの? なんというかもうこれは、決定的な、終わりの始まり。自らが自らに引導を渡してしまったんじゃないでしょうか。 江川さんの意見に全面賛成であります。 あまりに醜悪なので引用しないけど、細野氏のお子さんの死についてあれこれ言っている人たちは、何のための反原発なのか忘れてしまったんだろう。自分たちの正当性を主張するためには手段は選ばない、人の死や悲しみをも利用するというのは、まさにカルト・マインド。 https://twitter.com/amneris84/status/299671940476575745 * * * いやあ。ねえ。 禍福はあざなえる縄の如しと言いますが、ねえ。おれ、知らず知らず、あぶないとこにいたんだな。 あの失策、躓きがなければ、この連中と行を倶にすることとなっていたかもしれないんだぜ。 冷や汗が出る。あぶないとこだった。 まったく彼の言う通りだ。人生、先はどうなるかわからない。 石にけつまづいたその目の前で凄惨な交通事故を目撃した感じだ。 失望と後悔が、一気に安堵と希望に変わった。なんだか不思議な感じだ。 俺自身は、何事か努力をしたわけでもないのに。 ま、彼も。 妙な政治に巻き込まれず、無傷に通過出来ればそれはまた良しではないか。 俺はそれを心から願っている。 奇妙に楽しい時間だった。心から言いたい。ありがとう、と。

第14話 東京都中央区銀座のハヤシライス(の消滅)とビーフステーキ

あ。 池波正太郎もいいけど……今度にしよう…… 「竹葉亭」の看板を見ながら呟くゴローさん。なんかあれか、俺は知らんけどわかるひとにはわかるあれなんだろうと思って放置していた。ら、今日漫然と点けていたゆうどきネットワークでいきなり偶然手がかりを得てしまった。 東京・銀座に店を構える、池波正太郎ゆかりの料理人・近藤文夫さんを訪ね、池波流の小鍋だてを再現していただきました。 http://www.nhk.or.jp/you-doki/archive/life/20121128.html#02 なんか、あれか、有名なわけか。全然知らなかった。 そうだ! こういう時は思い切ってステーキだ。銀座でステーキを食おうじゃないか。 そうとなったら、銀座といえば"エビスヤ"だろうなやっぱり。

Season2 第五話 横浜市白楽の豚肉玉ねぎスペシャル

http://www.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume2/story/story5.html 雨か。やだなあ。 このセリフ。モノローグの脚本が撮影後に書かれている、か、少なくとも加筆されている、その傍証になっている。 「……それよりも、馬の彫刻にどんな意味があるか、御存知ですか!」「はあ飛躍成功躍進の象徴ですよね」 「……(怒)…… じゃあそうだ! なぜ白楽という地名なのか、ご存知ですかな!」「白楽って馬の治療や仲買をする人のことですよね。そういう人たちがたくさん住んでたって、こ、と、です、か……ね……」 「……(怒)……」 あるある、こういう瞬間。こういう会話。 「インテリとは知識を持った庶民である」。よく首肯できないでいた師の言の意味がなるほどそうかと納得できる瞬間である。 俺が結婚に向いているだと? だから心理テストは好きになれないんだ。  んふっ(笑)。 怪老人、斉木しげる。 脚本、田口佳宏。 演出補、井川尊史。 監督、宝来忠昭。 阿蘇山大噴火 これほんとにあれですね。チーズときゅうりです。 久住 アハハハハハハハ! 阿蘇山大噴火さんって面白いな。やってること(裁判傍聴に定期券で通う)が。
キャベツの千切り、マカロニサラダ、コロッケ。 「こういうのが、うれしいんですよ」 カゴにいれながらつぶやく。

Season 2 第3話 中野区沼袋のわさびカルビと卵かけご飯

http://www.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume2/story/story3.html 焼肉は順序だ。頼む段取りで、勝敗が決まる。  焼き方があるのかあ。 五郎さん、「ふん(笑)」っつって食べながら吹き出すのがいいよね。おいしさのあまり。 チャンジャにナムルかあ。 いや。今日はとことんシンプルに、米と、肉で行こう。 「カルビはね、一枚一枚焼いてちゃあダメなんですよ。炭で固あなっちまいますからね。こうやって、蒸すように焼くんです」 そうだ。銭湯に寄ってくか。ひとっ風呂浴びて、さっぱりして。 脚本、田口佳宏。 演出補、宝来忠昭、井川尊史。 監督、溝口憲司。 幅允孝 …それであのハードボイルドな男子にかかわらずこう食べる順番とごはんとおかずのバランスとかそういうのものすごい気に… 孤独のグルメはいいスピーカーで「観る」とまたすごくいい。すごく音がいい。

Season 2 第1話 神奈川県川崎市新丸子のネギ肉炒め

http://www.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume2/story/story1.html 考えるな。感じるんだ。  いや、行ってみよう。 ここで店を変えても、それは妥協の選択でしかない気がする。  ん? ライスと味噌汁とおかずで組み立てるのも、ありだな。 となれば、話は違う。 ここに並んだ大量のおつまみが、すべておかずとして立ち上がってくる。  人生の半分って、どういう根拠なんだ。  ドンティンク、フィイイーェル。松重五郎にも脈々と受け継がれるドラゴンDNA。 脚本、田口佳宏。 西園寺、佐藤藍子。 演出補、宝来忠昭、井川尊史。 監督、溝口憲司。 なぎら ここでラーメンと餃子って言うとみんなが「え?」「ええ!?」って。「そんなヤツがいるのかよ!?」みたいな。 久住さんの提げてるカメラがいつものオリンパス一眼じゃなくてたぶんLUMIX。