いま頃全部観終わった。初めてちゃんと観た。
冒頭から風吹きすさぶ山の寒々しさが凄い。ソフィーの感じる寒さが俺にじかに伝わってくる。宮崎クオリティーならではのリアリティー。
ある瞬間から魔法で老人にさせられてしまったら? ひとはわりとそれに、その肉体に内面までも速やかに順応してしまう、というのはなんだかわかる気がする。そういう運命に遭えばそれは所与の現実なのだから、受け入れる以外の選択肢はないのだ。
気がついたら生きてて30過ぎたら老化しだしいいとこ百年で死ぬ。そういうルールの魔術空間に放り込まれた、と解釈しても間違いないはずである。俺たちの実人生自体が。
第一次、第二次大戦の軍人の生身の、白兵のリアリティーがまた良かった。銃剣で民家に押し入る描写とかね。超絶軍事マニアの反戦主義者という特異な才能がまた本作においても発揮されていた。
ホルスの大冒険で言えば迷いの森、漫画ナウシカで言えば心でしかたどり着けない青き清浄の土地、千ちひで言えば中道電車、にあたるあの流星雨のシーン。VSOPはむしろ大切、必要だとよくわかる。手慣れた得意技、テンプレートを持つことは作品ごとの労力を軽減するし、その得意技を毎回より進化させることにリソースを割けるからだ。
踊る妖精の東欧アニメのような描写は後続する作品にも影響を与えただろう。
よくわからなさがますます進行していることは単に制作進行の不如意からくるものだとしても、老練の技術は作品の破綻をカバーしむしろ受け手の想像の間口を拡げてくれている。各人好きなように解釈すればいいのだ。俺は楽しめた。いい作品だと思った。
タレントの声優起用に賛成しないけど、キムタク、いい仕事してたと思う。すくなくともぶち壊しにはなっていなかった。
エンドロール、どうでしょう軍団大フィーチャーに笑った。
追記:俺の印象批評はこちらの制作裏話の面白さにまたしてもかすりもしませんでした。
http://d.hatena.ne.jp/type-r/20130104
冒頭から風吹きすさぶ山の寒々しさが凄い。ソフィーの感じる寒さが俺にじかに伝わってくる。宮崎クオリティーならではのリアリティー。
ある瞬間から魔法で老人にさせられてしまったら? ひとはわりとそれに、その肉体に内面までも速やかに順応してしまう、というのはなんだかわかる気がする。そういう運命に遭えばそれは所与の現実なのだから、受け入れる以外の選択肢はないのだ。
気がついたら生きてて30過ぎたら老化しだしいいとこ百年で死ぬ。そういうルールの魔術空間に放り込まれた、と解釈しても間違いないはずである。俺たちの実人生自体が。
第一次、第二次大戦の軍人の生身の、白兵のリアリティーがまた良かった。銃剣で民家に押し入る描写とかね。超絶軍事マニアの反戦主義者という特異な才能がまた本作においても発揮されていた。
ホルスの大冒険で言えば迷いの森、漫画ナウシカで言えば心でしかたどり着けない青き清浄の土地、千ちひで言えば中道電車、にあたるあの流星雨のシーン。VSOPはむしろ大切、必要だとよくわかる。手慣れた得意技、テンプレートを持つことは作品ごとの労力を軽減するし、その得意技を毎回より進化させることにリソースを割けるからだ。
踊る妖精の東欧アニメのような描写は後続する作品にも影響を与えただろう。
よくわからなさがますます進行していることは単に制作進行の不如意からくるものだとしても、老練の技術は作品の破綻をカバーしむしろ受け手の想像の間口を拡げてくれている。各人好きなように解釈すればいいのだ。俺は楽しめた。いい作品だと思った。
タレントの声優起用に賛成しないけど、キムタク、いい仕事してたと思う。すくなくともぶち壊しにはなっていなかった。
エンドロール、どうでしょう軍団大フィーチャーに笑った。
追記:俺の印象批評はこちらの制作裏話の面白さにまたしてもかすりもしませんでした。
http://d.hatena.ne.jp/type-r/20130104
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