スキップしてメイン コンテンツに移動

ゴジラ(2014)

まず最初に、監督の名前をはっきりさせておこう。ギャレスエドワーズ。ギャレスエドワーズね。
俺はもう絶対忘れないぞ。忘れないようにするぞ。

ぽかんと時間空いたからさ。観に行くつもりなかったけどつい魔が差してさ。
席についたら案の定近くのアベック、男が女に薀蓄傾け。なんなんだろうね、「俺こんなにもの知ってんだぞ」って連れに自慢したがる心性。気が重かったよ。「うるせえバカ!」って上映中に怒鳴らなきゃいけなくなるの。
でもそれ杞憂だったわ。いいよ、しゃべってて。なんならセックスしてもいいよ。そっち観てたほうがいい。この異常につまらないフィルム眺めてるよりは。

あのね。金払って映画館入ってね。途中で帰りたくなったの俺ァ生まれて初めてだよ!

なによ冒頭のジャパン、ジャジンジャ、とかいうの。なんだっけ。ああ、ジャンジラだった。なんだジャンジラって。バルハラか。シャングリラか。「そんな地名ねえよ」っつー地名。変なニホン。
アメリカ人というファンクションにシズオカ、ハママツってインプットすると、ジャンジラって出力すんのかな。どういう耳よ。脳よ。
これに続く扉シーケンスでもう「帰ったほうがいいかな」思ったよね。んでその予感当たったわけだけど嬉しくもなんともないよね。
この「玄関厳重に鋼鉄製にして勝手口の木戸開けっ放し」みたいな演出が終わりまで繰り返し繰り返し続くよね。ギャグ? それとも監督の知能が異常に低いの? 俺は後者だと思う。
やっぱあれですか。怪獣の、ゴジラの映画撮りたいって手合い、少なくともアメリカの場合勉強できなかった子に限られるわけ?
軍隊ってさ、米軍ってさ、原隊離れた私服姿でも顔パスでいろんなとこ出入りできるわけ?
どういうわけかこいつ(主人公。以下、「バカ」と表記)どこでも厚遇される。「君が来てくれたらもう安心だ」とか言われる。でも変だよね。そんな上級士官でもプロフェッショナルな設定でもなさそうだし。実際結局何もできなかったわけだし。この「俺様重要人物」な世界観、なんらかの精神疾患が疑われるよね。根拠の無い万能感。いろいろとこの馬鹿、認知が歪んでる。世界を歪んで認識している。
列車上の弾頭通りすがりに一瞥しただけで「その起爆装置じゃダメだ。こっちに付け替えなきゃ」とかって。もう優秀な兵士通り越して霊能者の域に踏み込んでる。大体一兵卒が重要作戦のそんな重大な変更、現場で勝手にやっちゃってさあ。
これね、絶対現実の出来事じゃないの。「あの巨大怪獣が現れたとき、父さん……」っつって下っ端兵士が家族の前で自慢話してるだけなの。
「明日の朝までに必ず帰るからそこ動くなよ」っつってそのまま軍事行動に出陣するバカ。行動、意志のインテグレーションが完全に失調してる。
「もう一度調べてください」。フィーマのひとの邪魔すんじゃねえよ。帰るなら帰る、仕事するなら仕事する、やることひとつに集中しろよ。お前は多動性なんとかなのか。
感動の再会じゃないよね。奥さん、スタジアムでまっすぐ駆け寄ってそのまま拳骨で歯アへし折っていいよね。「死ねよ馬鹿!」っつって。
バス。車内いくらガキんちょうるさくったってさあ、交通誘導の手信号見る障害にはならんでしょう。「なに、なんだって?」じゃねえよ。耳に手え当てんなよ。
「ないわー。ありえんわー。信じらんないわー」。あきれましたわー、ちゅて天を仰ぐ敷島? 笹沢? 忘れたわ。ああ思い出した。芹沢博士の助手ねえちゃん。態度悪いよねえ。すっげームカついた。「対案があるのならもちろん是非聞かせて欲しい。我々は核の使用を好んで選択しているわけではないのだ」。軍人さんの方が百パー正論、理性的、紳士的。ねえちゃんそれには答えねえでただ「あー軍人バカ、ほんとバカ、話なんねー」の態度キープするのみ。これは無能かつ人格に障害がある。
撤収完了しました! 言ってるそばからひと、武藤のそばにようけおるし。撤収してねえし。
「無人機を飛ばせ! 映像が欲しい」って映像観ながら言ってるし。そこヘリも兵員ももういるし。
「ロストしました!」。言ってるそばからターゲットをしっかり追尾している映像。ロストしてねえじゃん。こいつらのセリフ聴いてるともう気が狂いそうになる。
……って、もうケチつけだしたらキリがないよ、この映画。全篇これだもの。アルマゲとおんなじくらいうんざり。
こういうクソ映画はあってもいいよ。でもなにより失望は、割と自分の信頼してた人々が「結構良かった」の声を発していたこと。それでつい気を許して観に来てしまったこと。
もう、何を信じていいんだか。

エメリッヒショック、そういうのがあるのかもね。だから、「ちゃんとゴジラじゃん! ゴジラの形してんじゃん」「鳴き声ゴジラじゃん!」「火ィ吹くじゃん」って、当たり前のことが凄いことのようにカウントされる。作品評価がそれで大甘になってしまう。

要するに子供が砂場で怪獣ごっこしてるのを二時間強制的に観させられてるんだよな、これ。んで「用語がおかしい」「失探って意味わかってる?」「科学的にありえねえだろ」って子供の遊びにいちいち文句つけてるのが俺の立ち位置。おっきいお兄ちゃん。お母さん警察に通報。
間違ってるよ。俺が間違ってるよ。でもさあ、子供が億単位の予算使って映画撮るの、そっちのほうがおかしいだろ、そもそも。

主人公のバカ、監督の似姿なんじゃないかなあ。あのねえ、絶対奥さん子供から嫌われてる。「お父さんわたしの歯ブラシ使わないでってもう五百回以上言ってんじゃない!」「なんでスープを灰皿にするんです!」ある日奥さん子供家出てっちゃうよ。でもまだ気づかないの。「なんでかなあ。なにも悪いことしてないのになあ。こんなに家族を愛してるのになあ」。異常に鈍感な父親。
完全に言いがかりだけどさあ。でもそういうものを、異常な無神経の集積みたいなものを、この映画から感じて仕方がないのです。

ヒトが核の炎を手にした、そのことが太古の巨大生物を地底から蘇らせた。米ソ核競争の目的はこの好放射能生物の殲滅にあった。そして復活した、ナチュラルイコリブリアムを回復する存在としてのゴジラ。……この基本設定はいい。整合性のある、うまい大ネタを考えついたな、と思う。ところが。
話の骨格がしっかりしていれば細部が多少粗雑でも映画は面白くなる。俺はそう思っていた。でもどうやらそうではないらしい。この映画、骨格はそのように太いのに、マチエールがあまりに杜撰でいいかげんで、印象はひたすらみすぼらしいものとなっている。映画の本質とは骨格よりも枝葉を丁寧に仕上げるところにこそどうやらあるらしい。

この映画に限らずビッグバジェットの不思議って、なんでこの脚本で製作にゴーがでるかなあ? ってこと。金かかるほどあらゆるものに厳しいチェックが入り、っていうのが俺なんか素人の想像だけど、現実は逆に超大作ほど学芸会レベルの稚拙が許される傾向にある。ここらへんのメカニズムはとっくに秘宝が解明しているものと思うが。

欧米メディアの健全な反応にひと安心。
http://blogos.com/article/86786/

この評もいい。全面賛成です。


コメント

このブログの人気の投稿

インテルグラフィックスの設定で動画の白っぽさを解消する(白っぽさシリーズ、その3 たぶん完結篇)

 タイトル通りです。  なにげにね、ほんとなにげに、さしたる予感、確信もないままインテルグラフィックスなにげにいじってみたの。そしたら、この間(かん)の懸案が一瞬で解消してしまった。   HDMIさん 、 サイバーリンクPowerDVDさん 、いわれなき嫌疑をかけていままで悪し様に罵ってすいませんでした。  悪いのはわたしの無知でした。  動画の白っぽさを、なくす。  グラフィックスビデオ設定のコントラスト自動調整を、オフればいい。  後出しジャンケンだけど、答えが出てしまえば「なーんだ」、だよね。  確かにそうだ。明暗の自動調整にノイローゼなってんなら、それ切ればいい。  いやもう、白っぽくて白っぽくて(露出不足でラボから上がってきた昔の印画紙みたい)、また瞬間瞬間に不自然に画面の明るさがディジタリーに、階段状に変わる、明らかにおかしい感じの動画、一瞬で正常化してしまったよ。 「あらこの場面ちょっと暗いわね、こんなんじゃなにがなんだかよくわかんないでしょヨッちゃん。おばちゃんがいまここちょっと明るくしたげるからね」って、パソコンの中のおばちゃんがいままで世話焼いてくれてたんだよね。  僕はおばちゃんに暇を出すことにしました。  俺ヨッちゃんじゃないし。  ノートパソコンの設定としてはデフォルトがそれっての、たぶん正解なのかもしれないね。映像ソースの再現忠実度よりも視認性。  外付けモニターの購入で小さい画面では全然わかんなかった、気にもならなかったことが見えてきた。一挙にアラが見えるようになってしまった。デカい画面という、そういう「量」が「質」のこと炙りだすのってなんかこうあれだよね、示唆するものがある。  この間の死闘、暗闘は消耗したがしかしまたその分得ることも実に多かった。いままでそこらへんの知識まるでなしにパソコンで動画見てたんだよね。実に十年間くらいはおかしな設定の変な色、明るさのままで。「きったねえなあ」ってぶつぶつ文句言いながら。  グラフィックスのビデオ、調整できるパラメーターは他にもあるので、まだまだ勉強すべきこと、更なる発見、正解があるはずである。しかし、懸案の巨大な山はひとまず乗り越えたんだと思う。  しばらくは精神の安定を取り戻せそうで一安心である。 * * *

Thinkpad E560のSSHDをSSDに換装する 1

 この10月にサムスンのSSD(Samsung SSD 500GB 860EVO)を購入、換装しようというのは以前から腹積もりとしてあったのだが、奇しくも9月末、一万二千円くらいだった価格が一挙に9890円に下落。とてもタイミングが良い。幸先が良い。  土曜の午後郵便受けに届いた。うん、楽でいいね。  普通に郵便で送りたくなるのがわかる軽さ。  準備はもうしてあったので早速開封、換装作業開始。  マニュアル同梱。サイトへの案内。   サムスンのサイト を見ると移行ソフトがちゃんとあるっぽい。特に購入者コードなど必要なく、誰でもダウンロードできる。  フリーソフトよかひと手間省ける感じ。もちろんサムスン製専用ならではの利便性。  こんなんにつけて USB3.0で接続。 いきなり「あと2時間半」とか脅してくるけど、数字はガンガン減っていく。  130ギガほどのシステム&データ移行、37分で終了。  さあ、そしたら今度は物理交換だ。  電源抜いて、  電池外して、  裏蓋をプラスドライバーで外す。この3つのネジはどっかいっちゃわない式。ゆるめてもついたまま。  ネジゆるめてもプラの爪が複数箇所マザボの爪に食い込んでいる。だから蓋は素直に開いてくれない。  手の爪やらマイナスドライバーやらでこじ開けるとたぶん筐体に傷が付きそう。  PC、スマホ修理用の「固くてやらかい隙間こじ開け用プラ棒」なんかが欲しいところ。  俺は財布ん中のヤマダ電機ポイントカードで代用。隙間に挿してこじ開けていく。 ガジガジになった  ネジ4本外す。ハードディスクを外す。固着してるのでちょっと手間取った。  小ねじ4本外してハードディスク固定用の枠を外す。  シーゲイトのSSHD500ギガ。これはサムスンSSDの空箱にしまっちゃいましょう。  7ミリ厚のSSHDを7ミリ厚のSSDに換装。  逆手順で戻して行く。  蓋をネジ止め。上から爪あるっぽい複数箇所を押さえてはめ込む。パチパチパチパチ。  完了。電池、電源戻して、  電源投入。 (つづく)→  htt

チコちゃんに叱られる

 いまのチコちゃんはこうだけど、  初回パイロット版(17年3月24日放送)のチコちゃん(初号機)はこんなでした。  明らかに造形的には奈良美智リスペクト。  茂木さんに正解を言い当てられて驚愕!  出たw 「出ってもうたー♪ 大阪弁がー出ってもうたー♫」  当然パイロット版放送後「なんか不気味じゃないか」「もうちょっと可愛くできない?」等々の局内検討を経て決定稿、弐号機チコちゃんになったと想像するのだが、俺はこの初回チコちゃん大好きなんだよねえ。たぶん製作スタッフも掣肘さえなければ初回のままで通したかったんじゃないかなあ。そんな気がする。  しかしこの初号デザインのままであったら、いまの国民的人気にはやはりつながらなかっただろうなあ、とも思う。  ともあれ、チコちゃん、岡村さん、紅白進出おめでとう! https://www.nhk.or.jp/kouhaku/topics/topics_181218.html