殺したくなる自称ルポライターのうざったらしさが実は伏線、ミスリードで、主人公を食う存在に大化けする瞬間が鮮烈。小池栄子が好演。
弛緩した日常をぶっ壊すだの何もない僕達の日常だの戦って死ねだのいう寝言をほざけるのは確かに家族、社会、国家から十重二十重に守られた幸福が言わせる戯言だとよくわかる。管理社会がどれだけ高度に発達しようと戦乱からどれだけ遠く離れていようとわたし達の日常に地獄の深淵は常にその口を開けている。生活者と原作者角田光代はそれをよく知悉している。
主演井上真央はやはり役不足気味か。エンドロールのテーマソングに至っては最悪。たぶん原作がよく出来てるので映画の瑕疵を救っている。
野々宮希和子と再会するとこまで描かれるかと思ってたのであそこで終わるのはちょっと意外だった。しかし尺を考えればこれが限度か。
野々宮希和子と再会するとこまで描かれるかと思ってたのであそこで終わるのはちょっと意外だった。しかし尺を考えればこれが限度か。
コメント
コメントを投稿