録ってあったのいま頃一気観した。いや、めっちゃ良かった。
実相寺で上原で少年ドラマシリーズでPプロで、そして生き物地球紀行w
エヴァスタイルは歴然とそうなんだけど、広げた風呂敷全部回収してるのはエヴァより偉い。きちんとしてる。衒学だのメタだのに逃げず戦いきった雨宮哲監督に拍手。
才能、能力、技能ゆえに凄いんだけど、何より俺はこのひとの感覚、考え方と肌が合うんだろうと思う。庵野秀明よりも。
例えば。
三話。パチン!「どんだけ心配したと思ってんのよ!」。そんなカビの生えたクリシェを逆手に取った、繊細かつ新しい機微の表現。
ラムネ瓶から取り出したビー玉、が象徴するもの。
何もかもが作り物の世界、に拮抗する、レジ袋いっぱいの汚れた硬貨。その表現するリアル。
「おかしいよ。都合が良すぎる」。第九話「夢想」。三人が駆け出すとこはもう胸が熱くなった。いいなあ、少年ドラマシリーズだなあ。友情の形に仮託された理想主義。
「いや。いまのあいつは、本物だ!」。このダブルミーニング。第十話もまた熱い。アンチ君は自分の生まれた意味を考え、思いつめ、ついには発見するのではなく自らそれを決めるのだ。
新世紀中学生ってなんだよあいつらw どっから来たんだよw すごくいい。キャリバーさんもマスクのひと(思いやりの深い人情家なんだよねこれがまた)もドリルさんもイケメンさんも全員いい。いや、やっぱキャリバー氏のあの目つき、あのキャラクター造型を考え出せたのは何より凄い。ファッションもいい。
「アクセスコード!」っつって全員てんでんバラバラに叫ぶんで全然聞き取れないのが楽しい。「わかんないよ何言ってんのか!」とかいうツッコミなしに投げっぱなしなのが凄くいい。
シリーズ最終回で驚いたのはなんと昔実写のテレビドラマがあったんだと知った瞬間。ああそうなの。
もちろんSSSS(Special Signature to Save a Soul)と異同はあるんだろうけど、1993年当時にして既におおまかな設定が同じなんだとしたらこれは凄い。マトリックスに先行してるじゃないですか。
引きこもりでヲタクのリスカ常習メンヘラ眼鏡クソ女(まんこ臭そう)を甘やかさず引導渡す冷酷かつ健康な締め方も良かった。こういうのにおもねった作劇は駄目です。いまの深夜アニメはたぶん軒並みそうなんでしょうが。
いろいろあったけど、ほら、仲直り、友達、みたいなゆるい幕引きを峻拒して偉い。全面的に支持します。
ドラマも特撮味もキャラクターも何もかもが素晴らしい。雨宮氏、作監でもあるんだよね。絵がうまい。
ルーティンでだらだら全43回とか続かずタイトに12回で締めたのも良かったのかもしれない。これはシリーズものに見せかけた単発のよくできた映画だからだ。
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