今日初めて観た。
あれ、ラストにパイ投げが入るんじゃなかったっけ? テクスト先行でなまじの情報入っちゃってるから不審に思ったけど、それはお蔵入りになった幻の試写会版だったのでした。
パイ投げ入りゃもっと話に整合性がつく? そうかなあ。どっちでもいいやあ、と俺は思ったね。どっちにしろ退屈、冗長な映画だったんじゃないかなあ。
キューブリック、批評家受けが悪いのわかる気がする。全然ひと笑わす才能のない人が理詰め先行でつくったコメディー、な感じ。当然笑えない。むしろキューブリックの笑えない人間不信の部分がシリアスににじみ出てきちゃうんだよね。作中で茶化されているはずのジャックザリパーやストレンジラブのほうに、むしろ監督のシンパシーはでかいんじゃないかという。
ピーターセラーズを迎えて、いまじゃたぶんNYナイトクラブのお笑い芸人なんかがやってる「精神病者やハンディキャップのあるひとの見た目おかしな挙動を嘲笑う」きわもの芸を見せる。核戦争の危機云々はそのイクスキューズとして、ただ手段として利用したんじゃないかしら。役者陣の好演である程度それに成功しつつも、キューブリックの陰鬱かつスクエアな性格が映画を楽しめないものにしてしまった、ような感じかなあ。
後にデヴィッドリンチがもっと出来栄えよく成功させたジャンルだよね。病人、奇人、老人いじり。
あの音楽、この映画でとっくに大々フィーチャーされてたんですね。キルゴア中佐も with a vengeance も Dr. Strangelove へのオマージュだったんですね。主要な名作というのは観ておくべきもんですね。たとえ古臭くてつまらないもんであることが予想されていたにしても。
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