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6月, 2016の投稿を表示しています

ハンナ

 まあまあ面白かったけどまあ一回観ればいいかな、くらいな感じ。  あの家族のこととか引きずらないで投げっぱなしなのがなんかいいね。普通また再会してハッピーエンドみたいにケリつけるとこなのに。  ハンナに関わったため普通に殺されたり殺されたり殺されたりする。まああの家族も普通に考えたらあのキチガイねえちゃんに殺られちゃってるよね。

ボーンアルティメイタム

 再び観る。  スプレマシーの続きから説明なく始まるのがうれしい。もたもたしてなくていい。「わかんないひとは前作観ればいいよ。甘やかさないからね」という姿勢が好ましい。  セルフ手術、リドリースコットも The Martian で繰り返してるね。プロメテウスでもやったし。  肉体毀損描写はエリジウムにもあり(直ボルト留め)、なんかマットデイモンの得意技みたいになってる。  モロッコ描写も007シリーズに対するオマージュ、というよりは嫌がらせなのかもなあ。もうあんたらエキゾチシズム売りにしてもあたしらに勝てっこないですよ言うダメ出し。  スプレマシーの展開をなぞっているのもむしろ楽しい。シリーズに型ができるのはいいことだと思う。  ニッキーパーソンズ、なんか顔がジェイソンボーンに似てんだよね。これ、もしかして意図的なキャスティング? 「一緒にいるのがつらいのよ」とか意味深なことも言ってたし。  あの局長とパメラランディーがクリソツだったのもこれに気づかせる伏線だったのかなあ。  小山茉美さん上手だよねえ。唸る。

フランティック

 ボーンシリーズとか観たあとだともうおじいさんの映画だなこれ。  安っすい女のタコ踊りが2分位も無意味に続いて退屈で死にそうになった。  いろいろ変だけどラストの締め方も不細工だった。  だいたい導入部の誘拐からしておかしいんだよ。部屋までやってきた男、「スーツケースがテレコになってるので本物の方を取り返しに来た」んだから、目の前のそれ持ってきゃいいんだよ。なんで奥さん持ってくの。意味わかんねえ。騒ぎにしたくないんだから「奥さんすみません間違えました」っつってコインロッカーから回収したの紳士的に差し出せばいいんだよ。最初からお話が破綻してる。  屋上のカバンばらけシーンではっきりすんだよね。ああ、これバカ映画だって。それまでシリアスだったのに急転直下おかしくなっていく。  安全保障に関わる重大事案なのにエージェントふたりぽっちに当たらせるフランス当局。こそ泥捜査じゃないんだからさあ。  もういまじゃ通用しない映画だよね。古典としての価値もない。  死の翼アルバトロスの原作かなあという気はする(原爆着火プラグと引き換えに女を取り返す話)。「ひっでえ映画。俺が撮り直してやる」っつって宮さん撮り直したんだろう。  ……って、違うよ! アルバのオンエアは1980年、フランティック公開は1988年。  日本のドラマ、アニメのスクリプトがハリウッドに模倣されることは珍しくないらしいから、これもその一例であるのかもしれない。  ブルーレイとか出てなさげ。まあその価値はないよね。

ボーンスプレマシー

  俺最初逆打ちで観たんで。アルティメイタム、スプレマシー、アイデンティティーという最悪の観方したんで。それでも「話よおわからんけどこれ面白いなあ、凄い映画だなあ」と。  今回順繰りに観直したらまあ話よおわかることわかること。また一層面白いこと面白いこと。いやよく出来てるよこの映画。  任務で殺したひとの遺族んとこ謝りに行くスパイ。これ、ボンドとかゴルゴとかネット民とかから嘲笑われる行動だよね。「お花畑wwwワロスwww」って。  でも、この描写があるから、ボーンがこういう人間だから、このシリーズは007を凌駕する傑作になったんだよね。007っていう古いフォーマットの息の根を完全に止めたんだよね。 「甘ったれんな! 人生厳しいんだ」「俺って非情。俺ってクール。俺ってモテモテ」。残忍で好色で反省悔悟の情なき殺人マシンがむしろかっこ悪く見える。そういうニューヒーローを造形し得たことが、「ボーン以降」という、時代を画することになった所以なのだと思う。  仕立てのいい羊毛の服着て銃クルマ酒料理の薀蓄銘柄語る上級公務員を辞めればジェイムズボンドにも勝ちの目はあるかもしれない。しかし彼も知っているはずだ。高給取りをやめた途端女たちは彼に股を開かなくなることを。  ダニエルクレイグはよく頑張っているが、ボンドが時代のイコンとして蘇生することはたぶんもうないのだろう。 「愛する者を奪われたその痛みがわかるか!」  その叫びがそのまま彼自身に跳ね返ってくる作品構造は鮮やか。ボーンは己れの過去に復讐されているのだ。 「敵を振り切った。身を隠せた」というボーンの見立ては決して甘い見立てじゃなかった。トレッドストーンが生きていたわけじゃなく、ボーンに罪を被せて甘い汁を吸おうという、予期しようもないちんけな汚職が進行していた。彼とマリーはその犠牲となったのだ。  掃除人と戦う場面、劇伴がないんだよね。だからほんとに、即物的な殺し合い描写になってる。印象としてたぶんスナッフフィルムに近い。  それに続く銃の脅迫も俳優(ジュリアスタイルズ)の、そして吹き替え版では声優(沢海陽子)の名演技もあいまって凄い。「お願い殺さないで!」という哀願が真に迫り過ぎて背筋が凍る。殺人も脅迫も映画で昔っから描かれてきたはずなのに、何がどう違うのか。  酒瓶ガランガラン倒し。
 ウィークエンドサンシャイン。世界の快適音楽セレクション、二人っきりの音楽。  コア、ディープ。  厚いのあかんねん。オムライヒのシャロウなファン。  月、まん丸。 Tボーンバーネット特集。ローリングサンダーレビュー。ビッグリバウスキー。コーエン。オーブラザー。グラミー。カリークーリー。ディバイン。コールドマウンテン。クレイジーハート。パンチブラザーズ。

荒野の用心棒

 いま頃、いま頃、よーやっと観ました。  なんかひどいね。まあ先に黒澤の方見ちゃってるからね。コピーなんだけどクオリティーに差がありすぎちゃってねえ。  どう見てもほんちゃんの方が西部劇なんだよね。それを翻案して西部劇にしたものよりもさあ。砂塵舞う宿場町のリアリティーが。  ラストの鉄板はどうなのよ。またこんなのにオマージュ捧げちゃってるゼメキスといいさあ。  他ならぬ主演のイーストウッドも感じないはざない。黒澤の演出、三船の存在感に遠く及ばないことは。その忸怩たる思いが後の俳優、監督としての大成につながったのであればそれは奇貨であるが。  これもっかい観るよりは、やっぱ黒澤のの方観たくなるよね。  これ観て喜んじゃうひと、オリジナル観たら腰抜かすよね。

ボーンアイデンティティー

 ボーンアイデンティティー再視聴。  もっかい観たらまた新しい発見がちょこちょこあってうれしい。  ボーンシリーズはほんと傑作だよね。映画なんてもうすべてのことやり尽くしたよね、とみんなが飽き始めた、諦めかけてたところにポンとこういうのが出てくる。  二作目冒頭「そりゃねえぜ」な展開あるけど、この一作目においてボーンは一度彼女に選択を迫ってんだよね。つーか「降りろ」と。危険だからと。ろくなことなんねえと。おまわりさんとこ行って事情全部ありのまま話せばいいと。  んでまあ彼女は自分で選んだわけだ。だからまあボーンは無責任に、自分がただ生き延びる手段、算段として彼女を巻き込んだわけじゃない。  お話にこれで整合性がついた。理屈のそれじゃなくて、観てる俺の気持ちの整合性が。 [追記]  最後まで観たら「ああ、やっぱあれか、ちょっとまずいのか」と気づいた。  でもまあしょうがないよね。いったんはハッピーエンドしとかないと、救いがないじゃありませんか。
 ウィークエンドサンシャイン。世界の快適音楽セレクション、金と銀の音楽。  炭酸は常時。一息つく時は珈琲紅茶。シュークリームとかと紅茶。  黄金の七人、ルパンに影響。昭和。黄金バット。  眉毛白くなるとは思わなかった。剃ってないみたいに。暗黒舞踏。眉毛伸びるんですよ、支えてる筋肉が弱って。  ゴールディー。 「なんや、若いモンに負けたないんか」 「あれはね、血ィ出したいんです」  ジュスカグランペール、おじいさんになっても。 「君他に趣味は」「焼き肉」「えっ」「中10日は空けるようにしてる。予約もう声でわかる」  母2月享年88。お父さん料理教室。お店。ハイカラホテルカニ三昧一ヶ月「やってあげた!」「やってない。やったげたかった」  金も好きなってきた。金、色味の似合う女。  新新約聖書。

スーパー8

 いま頃観た。  タイトルといい中身といいああ、スピルバーグだな、時代設定79年くらいなのにすっげえ古臭いな、50年代パルプマガジンの感あるな、と思って観てたらエンドロールに「監督 JJエイブラムス」。スピルバーグはプロデューサーだったのね。  エイブラムスさんってのは器用な職人さんらしいねどうも。顧客の要求通りに納品できる腕のいいシャシン屋さん。天才性、作家性は希薄、なんてのがネット上で得られた下馬評である。  でもまあ大作、大衆映画の監督さんなんて結局それでいいんだと思う。  エピソード7を「第一作の焼き直し」と酷評する向きもあるけど、このひとで適任だったんじゃないかなあ。俺は楽しんだよ。普通に面白かった。  天才性、作家性のあるひとに任せたらえらいことなってたんじゃないかなあ。  デヴィッドフィンチャーの、マーティンスコーシシのスターウォーズ観たいですか? 俺は嫌だね。御免こうむる。  でもアキカウリスマキの、井上梅次の、つげ義春のスターウォーズはちょっと観たいかな。……いや、すげえ観たくなってきた。 「ハッハッハッハッハ。ジェダイの諸君。シスの暗黒卿は捕まらないのだよ。ハッハッハッハ。ハッハッハッハッハ」。ロケ地熱海。見せ場、ヘリを特別にチャーターした五分位も回すまどろっこしい逃亡劇。  SF、特撮、十代の恋。NHK少年ドラマシリーズとおんなじものをアメリカ人が作る、ってなんだかとても不思議な感じがするのだけれど、考えてみりゃおんなじ人間だもんな。どの国にもおんなじオタクが、おんなじボンクラがいておんなじフォーマットのものに興奮すんだよ、たぶん。  好きになった女の子に模型の説明する美少年の主人公。もうね。正視できない恥ずかしさ。現実でやったら嫌われキモがられる行動であり、それにそもそも現実の彼は美少年であるはずがない。しかし、これが万国の中二少年、その自画像であり理想、空想の恋なのだ。  スーパー8で撮った映画、すっごい良かったね。いかにもな自主映画で。全然バカにできないよ。この程度のもんでも、俺、自分で撮ったことないから。  なんだかめちゃくちゃ自分でも作ってみたくなった。

007 慰めの報酬

 あのひと可哀想だったね。「あーもー自分が嫌んなっちゃう」言ってたひと。  往時のボンド流のやり方、もう時代遅れですよ、化石ですよ、っていう批評にもなってたと思う。たくさん抱きゃあいいってもんじゃない。そんなもん偉くもなんともないですよ、ひとを傷つけるだけですよ、って。  あんまたいした映画じゃねえなあ、とか漫然と観てたけど、最後の三十分、畳み掛けるアクションには引き込まれた。
 ウィークエンドサンシャイン。世界の快適音楽セレクション、爪と毛の音楽。  前はお硬いとこ勤めてましたので。家のローンも終わりましたので。自由業なので。ひげ。触ったら、自分やなと。  男装の麗人。これからは付け髭女子流行るかもしれん。  爪の表面を塗装するもの。岩場。磯。焼肉屋で汁物、浸かりそうでそれはどうかと。鉄板焼けるで。  ヒッピー。僕も三上さんも髪長かった。  背中掻いてる感じ。  ボルネオに猿を。ジャークチキン、ジャークポーク。なんでそんな邪悪なものを。ジャークオムライヒ。  爪跡が指に。最初演歌だったのが最後パバロッティーに。「別れんかったらええのに」「強う握りすぎたんでしょう」 恒例オルダラレインシャワー。特集、フェアポートコンヴェンション。

オデッセイは傑作

 The Martian、観ました。  プロットだけつなげたら深刻でありきたりな話になるはずなのにそうなっていないのが本作最大の魅力。主人公マークワトニーはできることを淡々とこなしていくことに忙しいので絶望したり悩んだりする暇がない。この楽天性、向日性をまたディスコナンバーが強力に支えている。  おそらくリマスターされているに違いないスターマンの流れるシーケンスにそれは凝縮、結晶している。ワトニーのガッツが巨大組織NASAに、母船ヘリオスに、中国宇宙機関に、世界に感染していく。  彼がボタニストであることも重要なキャラクターなんだよね。夏休みの宿題を8月31日までほったらかして徹夜で翌朝に仕上げてドヤ顔するヒーロー類型とワトニーは真逆の立ち位置にいる。彼は在庫を記帳し生産と消費の管理を厳密にする。思いつきと瞬発力、男度胸に頼った怠け者ではないのだ。  ちっちゃい事務所の給湯室、と思われるところからカメラパンしてそのまま巨大スクリーンの管制室へ、もまさしくリドリーマジック。面目躍如。  突如アジアが出現するのも「らしい」よね。  フォーレターワーズをじかに見せないことでむしろ余計インパクト持たせた演出も秀逸。 「プロメテウス」の失態から見事に完全復活。  当然色々端折ってる部分もあると思う。原作も読みたくなった。原作もよくできてるから映画も骨格のしっかりしたものになったんだと思う。  気圧と重力描写、なにより冒頭嵐の打ち上げに疑問がなくはないが、それに倍するかたちで全体の考証がしっかりしているのだからそこはチャラにしちゃっていいんだと思う。重箱の隅つついて鬼の首取るかたちの批評よりも、公平な評価が大切だと思う。  インターステラとか激賞してたひとはとりあえずこの快作の前に跪拝、反省してほしいと思う。あ、いや、反省しなくていい。いま更そんな後出しじゃんけんダメ。許さない。ああいうのほめた過去があるというだけでね、もう駄目。評価変えない。  んでビニールシート。作品を貫く重要アイテムになってんだよね。テープによる補強、圧力隔壁化も伏線だったし。  重力エンジンによる加速はアポロ13、宇宙服ごと突き刺さった金属棒を気合い入れて引き抜いたりガムテ貼ったりGで気絶したり回転重力ブロックを持つ母船がテサーを降ろしギリギリまで降下してカプセ
 ウィークエンドサンシャイン。世界の快適音楽セレクション、Cの音楽。  ゴンチチハウス、社長、粕汁、「炭酸、いくら買っても間に合いません!」  サンパウロ。  コーヒー。大都市。  言葉遊び、上げて上げて、北海道やったな。笑い過ぎて目から血ィ出て。イレブン津飯、よんパウロ。  C買ってきて。シームーン、物分かりのいいひと。ものすごい言うてたから優勝!  おばあちゃんおらんくなってお屋敷更地になったけど黒猫はそんなこと意に介さん。かっこよさ。