「何が起こってるのかまるでわからないけどともかく凄いことなってるらしいんで圧倒される」あのシーン、何十回も見たらさすがに多少は「何が起こってるのか」把握できるようになった。読書百遍意自ずからとはよく言ったもんである。
トンネル入ってボーンの黄色いタクシーはFSBのランクルに押し付けられ側壁をこすりながら進む。更には窓ガラス越しに銃撃まで食らってもはや絶対絶命! と、ここでボーン身をかがめ銃撃をかわしつつなんと車体越しに目測でランクルのタイヤを狙撃! 制動の自由を逆に奪われたランクルを今度はボーンが回り込んで後ろから押し進む。「なんだ、ヤツの狙いは?」 ボーン突如頭を覆い身を縮める。「!」 FSBそれを見て前方に向き直るがもう遅い。ランクルはトンネル出口の分岐点に叩きつけられ大破。激突の準備をしなかったFSBの男は虫の息。狙い通り事が運んだボーンはしかし「交通事故の被害者」であることに変わらず満身創痍、車を放棄、脚を引きずりながらトンネル出口に向かう。
ーーーと、こんな概要が十数回このシーンを繰り返し観ることでわかった「事の成り行き」だ。
このシーケンスはアラビック→パンク→オーケストラスコアと遷移する劇伴の完全シンクロっぷりがまた素晴らしく、映画史上最高のソニマージュ、音と映像の正しい結合っぷりだと言えると思う。つーか俺はそう思う! また飽かず何十回も見続けることになるだろうが、まだまだ更なる発見があるに違いない。
今月の秘宝にボーン小特集。緻密な構成物に見えたシリーズの、実は結構雑だった製作舞台裏が明かされている。そして、迫る新作公開。
http://bourne.jp/
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