この有名な作品をいま頃観た。
お話、不良のカッコ、画質に古臭さ、80年代的ダサさを感じたがなるほど、92年の作品。
なんで割とヘビーローテにテレビでよくかかるのかちょっとよくわからないなあ。
ウーピーの熱演を脚本、演出で台無しにしてる感あり。っつーか、もともと売れるつもりもない、低予算でそれほどのやる気もなく作った映画が天才ウーピーの熱演で予想外に大化けしてしまった、そんな感じじゃないのか。
彼女の歌唱指導でボンクラ歌唱団が一瞬にして生まれ変わる、あのキリストの奇蹟の如き場面がこの作品の白眉。グラディエーターの「軍にいたものはいるか」に匹敵する、身震いするカッコよさだ。
それを引き続く場面、演出が次々台無しにしていく。サウンドトラックのクラップとまったくシンクロしない映像の手拍子。街に出る尼さんたちのバックに流れる音楽のダサさときたら目も当てられない(たぶん当時にあってはもっともイケてるであろうポップス)。
そうしてウーピーの天才と映画の酷さが交互に互いを帳消しにしていくのだが、最後とうとうみんなでヘリに乗るという大馬鹿展開で映画の酷さが圧倒的な勝利をおさめることになる。
このストーリーでこの脚本はねえだろうと思うこと多かったので相当にひどいことで有名な脚本家なのだと思う。
「この映画ではそういう問題は一切出さない」という方針も決めていたのだろう、彼女が黒人であることへの言及が一切ないことはむしろこの映画に不自然な、異常な緊張感を持ち込んでいたような気がする。
全篇「そういう問題」への言及に占められていたダイハード3の方がむしろエンタテイメントとして抵抗なく観れたから、ここらへんがまた予期せぬ効果を作品に与えたものなのかもしれない。
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