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「デイ・アフター・トゥモロー」



 2004年作品をいま頃午後ローで観た。
 かなりひどいね。いままで観たすべての映画の中でいちばんひどいんじゃないかな。
 頭から終わりまで、すべての瞬間がひどい。ひどすぎて腹が立った。最後まで観た自分の忍耐を褒めてあげたい。

「この線よっか下のひとら直ちに避難ね。上のひとらは自宅待機。外出たら死ぬから」
 この馬鹿男よりは副大統領の方が全然まともだと思うよ。「国民の半数を見殺しにする気か!」って、本来主人公が言うセリフでしょ? エメリッヒの主人公って全員クズなんだよ。
 んでその「線の上」でテント泊して息子に会いに行く馬鹿男。何しに? 君何してんの? 副大統領は全力で人々を救うべく職務に当たってるのに。
 地球観測衛星ってISSのそれ一個しかないんですか? んで、「よし、地球にこの画像を送ろう」っていちいち有人の人力操作ないとできないんですかそういうの。
 もうすべてが頭悪過ぎ。
 本焼くシーンがすべてを物語ってるよね。ともかく焼きたいんだと。焼くことありきだと。俺(エメリッヒ)は本が憎くてしょうがないんだと。みんな俺のこと馬鹿にしやがってと。「本なんか何の役に立つんだッペ! こんなもん焚き付けにしかならねえッペ!」「ウチん息子は都会の大学さやって頭でっかちの怠けもんなって帰ってきた」。どん百姓の処世観。
 大衆のレベルに合わせてわざとやってるんだ、とかいうんじゃないと思うよ。エメリッヒってほんとこういう世界認識なんだと思う。
 エメリッヒだのノーランだのがメガホン取れてるハリウッドってのはもう紛れもなくトランピズムと地続きなんだと思う。

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