こういう店ってのは……もともとヒッピーのような団塊の世代がやってんだよなァ。これはこれで「久住節」なんだよなあ。もともと「夜行」自体が『夜行』の生硬な、徒に難解晦渋を気取った青臭い「漫画主義」への揶揄だったわけだし。そういう作品から出発した久住氏がこういうエピソードをひとつは描くことになるのは必然だったのかもしれない。扶桑社だし。
先行する時代を全否定するかの如き、中期ガロの反進歩、反左翼、反「反体制」、面白原理主義。その時代をしょった作家の、これはこれで意地というかレゾンデートルというか。
典型的な「そういう」店だなあ。
どうも苦手だな。やっぱり。なぜか、そういう気持ちが若い頃よりも強くなってる。
なんか店員が客を見下ろしているような……みんなもっと勉強してと言っているよう渡辺和博(彼について思うのはその差別感覚に対する義憤以前に、「なんでそんなに若者風俗、服飾ブランドに詳しいの?」という疑問。女性誌とか丹念に読んでたのだろうか? 余談。)が人間をマルビに分類するその手つきと同じ、そういう偏見と差別感覚が「いいんですか!?」と心配になるほどに全開。しかし、それはみんなが感じていたことなのだ。民衆を睥睨する進歩主義の傲慢に人々が反発するのは当然の帰結である。
な……
もちろん、物語は良質の物語らしく、進歩主義への絡み酒展開に終始することなく意外な展開を見せてくれる。
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