レンタル品は日本劇場公開版なので一度は見送ったのだが、我慢できずに結局借りてしまった。セルの方四千円と高いし。
残虐シーン好きというわけでもないから、まあ自分はこっちで良かったのかもしれない。
「暴力はやめろ! 暴力は許さないぞ!」と荒れ狂うクライマックスが素晴らしかった。ブロムカンプ監督、わかってるなーとうれしくなった。
「病院連れてけよ!」ってみんな思ったろうけど、俺も思ったけど、たぶん監督は人間に絶望しているのだ。人間は人間のままではたぶん救われない、と。マシンと合体するか異形のものとなるか、一度死んで次のところへ行くしかないんだと。
明敏な意識で社会改良の必要を毎回訴える作風だけど、その底に既に絶望、ペシミズムがある。
異形、異界の怒り、救いと言えば泉鏡花。鏡花と言えば帝都物語、実相寺昭雄。
ウルトラのスピリッツを最も能く受け継ぐ者が海外の監督であること、それはまた逆に日本のサブカル進化のありようを逆照射するものでもあるだろう。
日本ではそれが庵野秀明のようにしか現れ得ないのだ。
ドキュンとか教育とか貧困の再生産とか、そういうののリアリティーが完全に現実そのもので、いろんなこと考えちゃったよね。
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