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「ジョンウィック」

 ★★★☆☆。65点(/100)。
 評判が高いので期待度数も高まり、ちょっと辛い評点になりました。



 アメコミなライティング、ホテルマン、秘密クラブ。何重にも「これはマンガですよ」という強調、現実との切断処理がしてある。これは何を意味するかというと、「ノーランとは逆ですよ」ということ。「僕ちん子供向けの幼稚な話をリアルに大人向けにしました。凄いでしょ褒めて褒めて」という厨二病(背伸び)と真反対のアティテュードであるということ。
 おとなが欲しいのは寓話なのだ。現実なんて、そんなもん日々十分間に合っているのだから。
 奥さんが病死で、今回の件とは無関係であるという切断処理も良かった。これ、月並みに絡めてしまうと「あいつを殺したからって奥さんは帰って来ないぞ!」とかいう、冷静に考えれば無関係な掣肘として作用する。クライマックスで邪魔になる。
 つまり犬は、復讐を象徴するイコンなのだ。
 だから、復讐を遂げたあと犬は復活する。

 こういう脚本の工夫によって、クソガキに四の五の言わせずまたこちらもくだくだしい口上なしに即殺するあの快感が生まれる。ほんとは風呂場で殺って欲しかったけどそうすると映画が40分で終わってしまう。Vシネになってしまう。

 ただ懸念もある。街を牛耳るロシアマフィア。引退した凄腕の殺し屋。近接戦闘。これまんまセガール映画で、ああ、キアヌリーブスもこういう年のとり方に、こういう生き残り方に進むのかと。
 いや、懸念じゃないか。これもありか。

 ラストがアルティメイタムまんまだったのも「うーん」だったけど、まあそれだけボーンシリーズというのがこのジャンルにおいてもう絶対に無視できない巨大な山なわけで。やむを得ない所でしょうか。

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