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機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星(1)

ジオンズムダイクンが心労と寝不足から勝手に斃れ、サスロ兄が死ぬ回。
うーん。
安彦氏の美麗な絵を動かせるにまで至った、その技術は凄い。ユニコーンで培われた実績だろう。しかし。
ちょっと動かし過ぎ。オーヴァーアクションが鼻につく二枚目の大根役者揃い、といった感じ。
動かすのに手間も費用もかかるのだから、ちょっともったいない話だ。その頑張りでむしろ印象が悪くなっちゃってるんだから。

だから。
79年がいかに奇跡の時代だったのかを改めて思う。
監督と作監の深刻な対立。
少ない予算、限られた人員×工数。
自覚的に「理想よりも飯」をモットーとした製作現場。しかしそこに否応なく忍び込む各人の凶暴な情熱、技倆。
何もかもが不如意な、しかしその中でしか生まれない奇跡の作品がある。
機動戦士ガンダムはワンアンドオンリー、79年にあのような形でしか生まれ得なかったんだ。改めてそう思う。

ジ・オリジンは安彦良和作監の神回を生み出せるだろうか? もちろんそれは大いに期待したいところであるのだが。

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