午後ロー180806の録画をいま頃観た。
評判の悪い映画だったので逆に面白く観れた。なかなかよかったじゃん。「広大な宇宙の出来事に比べたら人間の命なんて」云々かんぬん。まあニヒリズムというか冷笑。いかにも殺し屋の思想。で、運転手マックスは切り返す。もううんざりだしキレたのだ。「おうわかった。安いもんだよな人間なんて。お前さんの言う通りだ」。この映画の白眉。
で、評判悪い原因はまあ脚本(原作小説はあるのかいま俺は知らないで書いてる)の細部の詰めの甘さだろうね。ターゲット五人だよ? 残りふたりだよ? パソコンの中にデータはあったのにー! もうわかんなくなっちゃったよーお前責任取れよーて。プロの殺し屋だろ? 覚えとけよ五人くらい!
マックスも逃げるチャンスはずいぶんあったよねえ。なのにずーっといいように使われるんでまあ観ててつらいよね。なかなかフラストレーションが溜まる展開。そこらへんでやっぱみんな点が辛(から)くなっちゃったんじゃないでしょうか。
追記: ウィキペによるとスチュアートビーティーのオリジナル脚本を映画化にあたって大幅改稿とのこと。また俺が接した風聞と違い評価は概ね高いよう。
動物(コヨーテ)は偶然に映り込んだらしい。しかしこれがこの映画の重要シーンになっている。ここでふたりともそれを見ながら何も言わない(この演出がよい。「なにしてる、こっちは急いでるんだ。轢き殺しちまえ!」とか言わせたら映画台無し)が、しかし少なくともヴィンセントは「たかが動物に対して当たり前のように徐行したマックス」に対して巨大な衝撃と引け目を感じている。圧倒的優位に立っていたはずの殺し屋の足元がたったこれだけのことで揺らぐ。この後の展開の見事な伏線となっている。
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