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 スパイダーマンホームカミング、いま頃観た。



 ★★★★☆。75点。まあまあ面白かった。
 ネッド。ハッピー。トニースターク。カレン。友達、上司、監督責任者、AIアシスタント。話し相手のたくさんいるスパイディー、ありなんじゃないでしょうか。孤独と煩悶が特徴のスパイダーマンをこういう形で新生したの、良いと思う。
 自問自答が自己嫌悪とナルシシズムの両極を右往左往する様はもう旧作で見てきたし。
 誕生秘話全カットの配慮も勿論うれしい。もういいよ、誕生秘話は。みんな知ってるから。
 レゴでデススター一緒に組む友達に恵まれた高校生活、どう考えても最高でしょ。他の連中にキモいダサい言われても。ホームカミングに行く相手がいなくても。
 開き直りなんだよね。ピーターパーカーが開き直れる、自閉せずに済む、そういう時代がやっときたのだ。オタクでなんば悪かとですかと。暗かったら、成績よかったらいかんとですかと。おいどんひとつも恥ずかしくなかですばいと。
 クイーンズのミスフィッツな青春にドンピシャのラモーンズ。これはあれだね、ラモーンズがスパイダーマン演ったのへのアンサーでもある。それでそのスパイダーマンはかけず電撃ボップだけで行くのもなんか面白い。
 マイナーの原曲をメジャーコードで演った彼らのスパイダーマンが本作のモチーフになっている可能性も十分あるだろう。
 エンディングのアニメーションも相変わらずいいね。さすが漫画の会社、マーヴェル。

 クイーンズの貧しかったり不幸だったりする誰かとピーターが互いによんどころなく潰し合う救いようのない話がスパイダーマンなわけだが(特に平井和正版)、今回これをソフト化してくれているのも救いがあって良い。陰々滅々、悪人とはいえ事情のあったひとが死にました、人生ってのはやりきれないねえ、さあ泣いてください式の話はもういいよ。それはもう古臭いよ。こういうのもアップデートしていいんだと思う。
 残念なのはオープニング。リベラルな金持ちから仕事を奪われたタメ金持ち&リベラリズムを憎みますます保守化する現業労働者、という構図をまず作るためのそのエピソードがあまりに作り物過ぎてお粗末。受注した仕事なんだから中断だろうがなんだろうが当然補償あるでしょ。こういうタメニスル作劇を冒頭でやられちゃうとせっかくのまあまあいい映画が随分印象として損しちゃってると思った。
 ネッドの夢「ヤタ! "椅子に座ってるひと"!」、笑った。
 キャプテンアメリカが実在するならきっとこういう使われ方をするはず、という想像力が相変わらず冴えてて楽しい。アヴェンジャーズプロジェクト、最高。



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