主 この話、スピルバーグ以外のひとがやったら確実に沈没、失敗したような気がする。
客 難しいですよね。原作に引きずられて枝葉末節に拘泥する映画になりそう。
主 普通に起承転結、勧善懲悪、ストーリーラインの太い幹を維持できるスピルバーグの老練は不可欠だったんだろうね。
客 悪と戦う映画、に見せかけてドキュン、レッドネックを敵に屠らせる展開もいつものスピルバーグ節でうれしいですね。
主 トレーラーハウスアップデイト。このビジュアルでオープニングからガッチリ掴む。2045年って言ってるけど実は「生産力は飛躍的に増大したのにその果実が人々に還元されない」現代、2018年の話なんだよね。
客 アヴァターっつってまさに「アヴァター」みたいな顔見せられて「えー、最後までこんな感じィ?」ってちょっとやんなったけど……
主 途中から抵抗組織、現実の話に戻ってほっとしたね。ぐっと面白くなった。
客 アイアンジャイアントも大活躍。大フィーチャー。
主 もののわかった人間のふりをするヲタクスプロイテーション企業のスーツ野郎にウェイドが中指立てる理由がそこにある。鉄の巨人はこの映画が、スピルバーグがビートニクの精神を継ぐことの象徴だから。
客 ガンダムは?
主 ガンダムは……出てるとうれしいじゃん!
客 メカゴジラも、金田のバイクもね。
主 映画の主題であるコンピューターゲームも含めて、全部60年代カウンターカルチャー、ヒッピームーヴメントの産物なんだよね。天才ジェームズハリデーは勿論ジョブズがモデル……って言っちゃうとちょっと違うか。
客 むしろウォズニアックでしょうねえタイプとしては。いずれにしろ、そういう抵抗、対抗文化のイコンであることには間違いない。
主 現実と仮想現実をどう区別する? そこに本質的な違いがあるのかい? みたいな、考え過ぎて頭おかしくなった押井ワールド的方向に逝っちゃわなかったのも凄くよかったなあ。
客 常識的なエンディングがむしろこういう話にしては珍しくうれしいですよね。
主 押井間に合ってます!
客 押井と押し売りお断り!
主 ネットの広大な海に揺蕩(たゆと)う不定形なワタシ……
客 電脳ジュディーオングw
主 悪党を殺さず逮捕で終わったのもなんかよかった。
客 サイモンペッグ、適役はまり役でしたね。
主 ヲタクでもない人間がキモヲタ演じてる! みたいな反発を絶対受けないからね。
客 ほんとにヲタクだからw
主 役者として面白い立ち位置につけたよねあのひとは。
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