いま頃ちゃんと観た。
んー。
作り物っぽいんだよなあ。
言いたい主張がまずあって、それを絵解きするような都合のいいお話を無理くりこさえてる感じがなんかね。
映画ってそういうものでしょ? と言うかもしれないけど、んー。なんかそうと悟られないためのさりげなさ、自然さが足りないというか。
んでその主張がさあ。「正義? そんなものはねえんだ! みんな自分がかわいいんだ!」
中学生ですか。
それを実証する方途が脅迫、恐喝、人質だからねえ。卑怯じゃん。試験ならおかしなハンデなしに公正にやんなきゃ。ルール違反でしょ。「ルールなんかねえんだ!」ってわめくか知んないけど、そんじょそこらの粗暴犯じゃない、知能犯だと言いたいジョーカーなんだからそこ違反しちゃうともう知性だ哲学だ気取れないでしょう。
って、ジョーカーに向けてというよりノーランに向けてやっぱひとくさり説教したくなるね。まあ大方の人間は騙されて「ダークナイトすげえ、ノーランすげえ、現代の思想家革命家」になっちゃってんだから興行師ノーランの勝ちだけど。
バットマンらしい新兵器、ハイパーソニックビューイングシステムをオンにしてるんで目の前のジョーカー見えなくてぶん殴られるとか「なにそれ」って思うんだけど、仔細に検討するとそういう間抜け描写がたぶん全篇にちりばめられてるはず。これつまりインターステラとおんなじ。ハイブロウな思想なりSF描写なりで「どうだ!」ってノーラン大向う受け狙ってんだけど、なんか基礎が、基本ができてないんで全部が砂上の楼閣かっこつけな感じで。
ラスト、タイトルの意味がほんとにわかるとこだけはちょっと感心した。なるほど、ダークナイト、そういう意味なのね。
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