フジ深夜Tナイトの録画をいま頃観た。
コンタクト物としてとても良く出来ていて観ているそばから興奮した。「未知との遭遇」式の演出はさすがにいまは通用しないよね。「実際にこういうことがいま起こったらどうなるか」のシミュレーションがずっとリアル。だからアプローチとしてはシン・ゴジラと同じなんだけど、リアルを描くその文法が違う。あっちは早口喋りの濃密なテクスト情報量。こっちはゆったりとヴィジュアルで見せて行く。庵野演出はあれでいいしこっちにはこっちの良さがある。
導入部でミスリード、ムービートリックがあんだよね。時系列をあえて誤読させるように作ってある。うん、最初のお母さん役の時より講義に出る彼女、なんか若やいでんだよね。たぶんメイクとかちゃんと変えてんだろう。
中国人民解放軍が率先して悪者になる展開もちゃんと回収される伏線。
時制なく世界を見れるのなら爆薬にもっと早く気付けないのか。そういうオールマイティーな能力ってわけじゃないのか。ってのはちょっと思った。
彼女は世界を救いファーストコンタクトを成功させたわけだけど、手放しで喜べない苦いエンディングでもあった。成功の代償にしてはあまりにつらい。恋の成就も新しい命の誕生も、その先を知っている彼女からすればロマンチックでもまったき喜びでもない。諦めが先に立つ人生。俺だったらちょっと耐えられない。凄みというか鬱みのあるSF映画だ。
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