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「バットマン&ロビンMr.フリーズの逆襲」BATMAN & ROBIN, 1997.


 午後ロー160322の録画をいま頃観た。初めて観た。

冒頭そして途中の尻! 股間! 乳首! のどアップが素晴らしい。大爆笑だ。

そして……それだけ! いいとこはそこだけ!

ティムバートン以降の暗けりゃいいんでしょリアルならいいんでしょバットマンを原点回帰させるアテンプトは正しいと思うのだ。大金持ちのいかしたプレイボーイとしてジョージクルーニーの起用もぴったりだし。しかしセリフが饒舌。お話も幼稚過ぎる。カネはちゃんと使われたのかと疑うようなセットのチープさ。ブルースウェイン邸、誰でも玄関にアクセスできるしドアを開けたらそこは居間だ。

この映画の失敗がたぶんその後のバットマンを頑なに決定づけてしまったところはあると思う。つまりこの映画がダークナイトを準備した。こども映画じゃ駄目だと。やはりおとなの鑑賞に耐えるダーク路線でないとと。それは小学生的勧善懲悪から厨二病的シニシズムに二、三年進化しただけで依然おとなの映画ではないのだが(トロッコ問題とかやってドヤ顔するのがまさに)。

ひょんなことから巨万の富を手に入れパリに大邸宅を購入、その地下秘密科学実験室から相棒と夜な夜なパリの街に出撃。法の裁かぬこの世の悪を、バッタバッタとなぎ倒して行く。すべてのヒーローアクション、時代劇、そのルーツはアレクサンドルデュマモンテクリスト伯であるが、当然バットマンも直流の子孫である。であるなら、代官商人の哄笑にかぶせて高笑い、「何奴!」見栄を切ったのちチャンバラ、悪を倒してめでたしめでたし、今日もお江戸は日本晴れ。バットマンはそれでいいはずなのである。最初のキャンプなTVシリーズに回帰したかったシューマカー監督の意向は全面的に正しかったと俺は見る。

好みの問題であるが俺ユマサーマンが美人であると思えないし(タランティーノの好みであることは重々承知)。あれになんか息とか吹きかけられても「くせっ」としか思わんし。キス? 冗談じゃない。

アリシアも美人と呼ぶには癖の強すぎる顔だしなあ。

最初の映画のキャットウーマン(全身ラバー。レザー?)を超えるエロいヒロインはいまだ生まれていないように思える。

魅力的な女性が次々出てくるのにウェインもロビンもまったく秋波に流されない。不自然なくらいに! そういう作劇であればよかったのにと思う。ラバー、レザーへの偏愛は素晴らしく表明できたのだから。ホモセクシャルの要素が強過ぎる、という批判もくらった本作であるけど、俺なんかからしたら足りなかったから、思い切りが足りなかったから、という風に見える。もちろん、ワーナーがそれを許してはくれなかっただろうけど。

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