ガンニバル配信を全話観た。
うー、面白かったのにー。あのラストはないじゃん!
クリシェを全部潰してきといて最後あれですか。
あれじゃイタリア産安物ホラーのエンディングじゃん。
勝ってほしかったじゃん。かっぺどもに。
あの盗聴親父をタコ殴りして欲しかったのに。津山三十人殺しよろしく供花村の嘘つき村人一人残らず叩っ殺して欲しかったのに。
いいんですかあいつら勝たせて。よくないでしょ。
ラストのショックがデカ過ぎて文句たらたらだけど勿論そこに至るまでは面白くて仕方がなかった。
ジャンルで言うとヒルビリー物、横溝正史物(かっぺってのはほんとどうしようもねえよなあ、卑屈で野蛮で無学で嫉妬深くて凶暴でと遠慮会釈なく徹底的に馬鹿にする小説の形をとった復讐、批評文)になるのだろうが、そのクリシェをまず破っている。主人公は田舎の暴力にただただ圧倒される都会のひ弱な知識人ではない。柳楽優弥くん演ずる駐在阿川大悟、見た目と中身と行動が完全一致。そこがいい。どヤンキーのリーサルウェポン。ジョンマクレーンを超えるニューヒーローの誕生だ。「なめんなよコラ」「めんどくせえなあ」「やんのかコラ」。素晴らしい。警官かくあれかしと逆に思ってしまう。
またましろちゃんがすばらしい。演技がうまいしなんといっても顔がいい。どういいんだ! と詰め寄られても「このましろちゃん役になるために存在するような顔だ」としか言いようのないずっぱまり。
ニュートラルな顔、とでも言えばいいのか。
第一話の睡眠時急速眼球運動からもう目が釘付けになったがこれはもちろん後に語られるあれの伏線だろう(どちらもCG使用だと思うが)。
孤立無援の戦いが続くかと思いきやあの疑わしい署長が実は特別チームを稼働させていた展開も良い。ルポライターの活躍、快哉も。やられてばかりじゃないぞ、こっから反撃だ! 国家機関も猛然と唸りを上げて総動員、キチガイ村を強襲という終盤の怒涛の流れ。であれば、素直にその流れでクライマックス、救出、大悟の勝利となってもよかったはずじゃないですか!
トンネル襲撃とその撃退は中盤のクライマックス。修羅場に強い極めて優秀な戦闘能力の高い警官っぷりが余すところなく発揮された胸のすくバトル。
追記: 俺の勘違いで、どうやらシリーズは継続のようだ。そうだよね。でなければルポライターの快哉、屋上のチーム、八咫(やた)駅に降り立った彼女などが無駄になってしまう。でも「全1シーズン」なんて書かれてたらそりゃ誤解するさ。
八咫駅という駅名が何を意味するかは↓この動画で大山くまおさんが明察している。それは作品の本質を見事に言い当てたものだ。必見。
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