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ファルコン&ウィンターソルジャーを配信で観た。
最終回がとても良かった。
キャプテンアメリカとして覚悟を決めての堂々の活躍。テレビ中継もされる胸を打つ演説。そして彼、イザイアブラッドレイの名誉回復。これが今回いちばんの功績だ。記念館に彼を誘(いざな)うシーケンスは感動的。
白人のために作られた血塗られた帝国が合衆国なのであれば、俺たちはそれを簒奪し、俺たちの理想に沿って作り変えればいいではないか。それこそがまさにスティーブロジャーズが信じ、そのために戦ったアメリカだ。彼の盾を受け継ぐ意味だ。
しかしそこに至るまでの五話があまり華がないというか。毎回胸のすく活躍、という連続活劇にはなっていなかったので観続けるのに多少骨が折れた(だからこそ最終回が光ったのでもあるが)。

エージェントカーターが裏街道を歩き続けるのもなんだか。あのまま素直に名誉回復、めでたしめでたしでよかったんじゃないか。パワーブローカーいう裏社会になぜそこまで執心、義理立てするのか。
それはつまりスティーブロジャースと別れたことが関係しているのだろうか。それは今回まったく言及されていないよね。他のMCU作品で既に語られているのだろうか。

世界の半分が戻ってきてしまったことで問題が発生すると言う筋立てもどうなのか。それではまるでエンドゲームの、アヴェンジャーズの努力が余計なことだったみたいになってしまうじゃないか。
今回あの国浮き男が出ていることにも象徴的であるが、戦闘における巻き添え被害とか、そういうのをリアルに入れ込むとスーパーヒーローものは成り立たないでしょう。そこら辺はお約束としてあえて触れない、被害は出てないよ奇跡的に的な処理で良いのではないか。

合衆国軍人として大活躍のファルコンが漁船を買い戻すカネもないと言うのはちょっと解せない。どう考えても危険手当出てるでしょサムには。銀行に頭下げるまでもない。あそこら辺のファミリーエピソードは今回必要だったのだろうか。ちょっと盛り込みすぎだったのではないかと思う。

演説はマーヴェルファン、キャップファンに向けたそれでもあった。君らの中にだって相当数いるんだろ? 俺が盾を持つことを面白く思わない者が。キャプテンアメリカは金髪碧眼で当たり前だろうと(新キャップはまさにそういう役)。黒人の俺はその敵意も込みで引き受けるんだ、この盾をと。フィクションが生の現実と地続きになる衝迫。その重みのある演説を「あゴメン、スマホいじってて聴いてなかった」といなすバッキーが逆にいい。

あらためて思うのだが、エンドゲームのあのラストはほんとによくできていた。困惑するサムに「大丈夫、君ならやれる。いや、君にやって欲しいんだ」と無言で伝えるスティーブ。お前の判断だ、正しいに決まってるよと見守るバッキー。ドラマが六話かけて語った盾をめぐる葛藤、ドラマは結局この1,2分の描写に敵(かな)わなかったのではないか。いや、このシークエンスの出来があまりに良過ぎたのだ致し方ない。
つかスティーブ、まだ生きてんじゃないの? 俺登場してくれるのを待ってたんだけど。

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