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アンストッパブル



 これ面白いんだよ。おれ知ってんだよ。評判いいんだよ。そう思いながらきのうの録画を見始めたらまあしょっぱなから落胆したわけです。監督トニースコットて。面白くなるわけがないじゃん。
 あー、結構な苦痛でしたなー。最後まで観るのは。録画ファイル即消したけどね。観終わった途端。二度と観ねえよこんなもん。
 なんだこれ。アメリカ鉄道協会とか、そういうとこ文句言っていいんじゃねえの? これ。もう現場労働者ダレダレじゃん。仕事しねえわサボるわ私用電話勤務中にかけまくるわ。それも主人公格の二人が!
 なんなんすかねえ。つまり、アメリカはいまテロの脅威にさらされていると。んでそれは外からではないと。内なるドキュンどもが実は国を脅かすテロリストなのだと。無能で怠惰な労働者が社会のインフラを突如大量破壊兵器に変えると。そういうメッセージを込めたわけですか?
 つまりトニースコットはアメリカ人の大部分に喧嘩売ったわけか。でもどう考えてもこれドキュン向け映画だよなあ。アルマゲドンタイプ。「掘れ掘れ! いっしょけんめー掘れ!」って最初から最後まで土方が怒鳴ってんでまあどうにかなりました工機間に合いましたって、ひねりもなんにもねえ話。
 若くして労組の委員長に選ばれたって、そんな風格もなんにもねえじゃんあいつ。だからあれか、実はコネでしたとかあとで設定に付け足したんでしょうか。
 奥さんに携帯見せろ迫って接近禁止って、当たり前じゃん。されて当然じゃん。ちっちぇえ男。んでテレビでヒーローになったら「あんた凄いわいかすわ惚れなおしたわあ」つってより戻したって、ドキュン家庭かよ! ドキュン家庭なんだけど。
 いらねえじゃん。そんなエピソード。マシンと男の戦いだけにフォーカスしろよ。家庭の不和職場に持ち込むなよ。
 このクソ蒸し暑い土曜日の午後、こんなひでえ映画に時間費やして俺はもうがっかりだよ。不機嫌です。

 トニースコット去年の夏自殺したんだって。知らなかった。
 まあなんか、わからなくはないよねえ。接近禁止男の駄目さ加減、監督の自己投影あるでしょたぶん。
 おにいちゃん世界の巨匠でさあ、んで弟は。「コネだろどうせ」とかやっぱ言われてきたんじゃないスかねえ。
 なんなの、あのカメラワーク。ドキュメンタリータッチ狙って手持ちカメラ多用してるけどそれが明らかに作為的な、「手振れはこう撮るんだよ」ってマニュアル化された手振れ。んでいちいちシュイン! ってズーム、フォーカス。「俺の映像って、ほんとスタイリッシュ……」とかって自己陶酔がなければ絶対あそこまで繰り返せないでしょ、この凡庸な絵づら。
 この根拠なき自己陶酔からある瞬間目覚めた時、やばい瞬間がひとに訪れるのかもしれない。まあ、死者にあんまり鞭打っちゃいけないけどさあ。

 既に危険な化学物質満載だから大騒ぎなってんだよねえ。危険度十分なわけだよねえ。それが、大曲り外周に石油タンク群が! ってなによ。もうね、透けて見えるんだわ。企画会議の様子が。「弱い。もうワンパンチ欲しいな。そうだ! ここに石油タンクを! どうでえ、これがスリルとサスペンス溢れる作劇の基本ってもんよ」。言った奴がいるんだよ絶対。誰かっつったらスコットのバカに決まってるよ。全部見てきたように言ってますが、そうに決まってるよ!
 盛れば面白くなるいう、もう知性のかけらもない演出。でも大衆大喜び。ネットで検索かけたら「面白かった」の大安売り。なによりかによりそのことに絶望ですよわたくしは。

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