うーん、びっくりした。
もうひと波瀾、どんでん返しがあるかと思ったら「あのまま」終わったんで、そのことに驚愕した。「え! これで終わり!?」って。
うーん。善悪の彼岸を超えている。
たしかに母なることが証明されている。
日本でこれに匹敵する映画、存在するだろうか? 不明にして俺が知らないだけか?
ユーモアを基調とすることで逆に語られている内容の異常、悲劇が際立つ。韓国映画、そのレベルの高さに俺は瞠目しました。
ユーモアを基調とすることで逆に語られている内容の異常、悲劇が際立つ。韓国映画、そのレベルの高さに俺は瞠目しました。
「あの」場面も凄かったけど、それに匹敵する……というか、あれはまあ最大の伏線といってもいいのだろうけど、「農薬」の場面、最初にびっくりしたんだよねえ。
主人公がお母さんから刑務官に一瞬にして変わる。彼、語られている内容の異常を全部把握した上で彼女の肩を抱き、同僚に的確な指示を出してその場を収拾しようとしている。
感情を持たない、非人間的な国家装置、みたいに描かれて当たり前の獄吏が、主人公以上の存在感と人間味を示すあの演出に監督の非凡を俺は感じました。
どうでもいいエピソードと思われたものが重要な伏線として片っ端から回収されるあの構造が凄い。焼酎ばばあ。馬鹿。あたまグリグリ。傘。紙幣の一枚を返す。鼻血。脱走囚。いやなことをすべて忘れられる太もものつぼ。
冒頭の出血とシャツの血からして既に伏線だったわけだ。
こんな不思議な脚本、普通の脳みそに案出できるわけがない。
冒頭の出血とシャツの血からして既に伏線だったわけだ。
こんな不思議な脚本、普通の脳みそに案出できるわけがない。
なにを描こうとしたか? なにを訴えようとしたか? 語ることはできるが言語でまとめてみたところで衝撃ともやもやはなおも残る。それが本作のいちばんの凄みだろう。
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