父子の相克というのは森田芳光にとって終生のテーマだったのかもしれない。
倹約のおかげで家族の絆がむしろ深まりました、借金がなくなりました、めでたしめでたし、ではないんだよね。そこがさすが芳光。
もしかしたら他の貧官汚吏同様帳尻合わせの処世だったかもしれない父。放恣に散財する母。その二人に対するあれは合法的な殺人でもあったのではないか。成之はそれをそうと意識していなくとも。
お家大事という当時の絶対的大義名分を使って、白昼堂々何者の咎めも受けず為し得た大逆。
凶器は算盤である。
「自分でなんとかせよ」って、正解はなんだったんだろうね。働いて稼げっつーの? 子供に。そうしたらそうしたでなんか文句つけるんでしょ? 武士の子のくせに商いがどーのこーのって。
いや、ほんとに知りたいだけなんだ。直之はどうしたら正解だったのか。
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