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「ロンググッドバイ」The Long Goodbye.



 今秋発売されたブルーレイを買って、初めて日本語吹き替えで観た。
 昔観た時と印象ががらりと変わった。まず一点、二十年前の俺は話をまるで理解してなかったことが判明。第二点、吹き替えだと巨匠ロバートアルトマンの名作、みたいな構えた空気なしに観れた。
 まあでも複雑(というか散漫にとっ散らかった)話なんで、いまでもよく把握できてない。
 原作はハードボイルドの名作なんだけど、アルトマンはそれをわざと脱構築、気取った様式美、緊迫感、暗黒街感をなくして全篇とぼけた夢幻の感じ、ある種おとぎ話のような叙述に変えているのかな、と思う。
 冒頭マーロウの変わったつくりの住居、おかしな隣人達の描写がまさに非現実への導入部になっている。
 ブレードランナーの一解釈としても語られたように、これも「誰かが見た夢」の話なのだ。
 死亡診断書。写真。残念、あれは嘘でした、が通るなら推理小説としては「そりゃずるい」になる。出来の良いトリックではない。しかしこの話の勘所はもちろん謎解きの妙味にあるのではない。
 いや、俺は多くを語れない。原作を読んでないので異同を知らないのだ。



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