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「ラスト・ボーイスカウト」The Last Boy Scout, 1991.

 午後ロー150520の録画をいま頃観た。

最初の一分で「トニースコットかよ!」と嫌になり、次の5分で「あー、席立っちゃうひと出ただろなー」と思った。いくらなんでもこりゃめちゃくちゃだよ。やっぱトニースコット。

ところが我慢して観てたらこれが意外に観れた。最後までちゃんと観れた。シェーンブラックの脚本は当時の最高額で買われたそうだ。つまりホンはちゃんとしてる。冒頭のあれも終盤できちんと説明される。マフィアの無理筋の要求だったと。

ただ演出が雑なんだよね。マフィアによる白昼堂々の、衆人環視の拉致が2回以上出てくる。だから説得力が減ずる。

プールに落ちて燃えてる車を念入りに銃撃するところはとても良かった。しかしプールと車の所有者が殺されてしまうのはひどいと思った。ウィリスを見直し握手を求めた刑事が殺られるのも。

殺していいひとといけないひとがいると思う。作劇上。ましてこれはダイハードを明らかに目指してる作りなのだから、後味の悪い要素は潰した方がいい。なのにこういうのが出てくる。なにかが爽やかでない。そもそも冒頭で相当深刻なあれ(友達が奥さんを)をかまして来る。

ファミリーリユニオンの話だから最初に崩壊家庭を描く必要があるにしても、ダイハード(型のスカッとするアクション)を観に来た客のどんよりとした気持ちは最後まで晴れなかったのじゃないか。俺は晴れなかった。

トニースコットはなんかおかしいのじゃないか? と少なくとも俺は疑う。いや、これは後出しジャンケンだ。つまりこういうとこに出ているのだろう。後年の結末というか、抱え続けていた性向というか。

およそ文学、文芸作品とは程遠い作風なのに、抱えていたものはアクション活劇ではなかったという。

午後ロー版は磯部勉(日テレ版)。野沢那智のテレ朝版も存在しているからそっちも是非いつか流して欲しい。まあそれほどまた観たい映画ではないけど。

最後踊るところはよかった。初めて勝利を遂げマウンドで踊り始めるチャーリーブラウン、そんな趣があった。

ラスト・ボーイスカウト(字幕版 アマゾンリンク

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