「騙そうと思えばいくらでも騙せるような。こんなこといったら怒られちゃうけど、はっきり言って、僕の姉弟を見るような感じだった」
飯島が常人ばなれしているのは、差別と紙一重のこういう表現が何の躊躇もなく出てくるところである。一国の総理をつかまえて、知的障害者施設に入っている自分の身内を見るようだったといえるのは、飯島くらいのものである。
「私も結婚する資格がない、子を持つ資格もない男です。だけど、妹だけは絶対結婚させちゃいけなかった。私は一人で大反対したんです。世間のことが何もわからない妹にセックスの味を覚えさせたらどうなる。妹が逃げ帰ったのは、亭主の親族が妹に手を出そうとしたからです。それを聞いたとき、私はあの家に火をつけてみな殺しにし、私の姉弟も女房子どもも全員殺して、青酸カリ自殺しようと思った」
ーーそれを思いとどまらせたのは、政治家秘書というお立場だったんですか。
「いや、それより女房の顔です。女房はその話をすると、えーんって泣くんです。そのくせ、オレはふだんは、新橋あたりで仕事と称して飲んでいる。もうとんでもなく醜い男です。姉弟や田舎のことを考えると、子どもの頃からずっと叫びたいくらいの気持ちです」
飯島が常人ばなれしているのは、差別と紙一重のこういう表現が何の躊躇もなく出てくるところである。一国の総理をつかまえて、知的障害者施設に入っている自分の身内を見るようだったといえるのは、飯島くらいのものである。
「私も結婚する資格がない、子を持つ資格もない男です。だけど、妹だけは絶対結婚させちゃいけなかった。私は一人で大反対したんです。世間のことが何もわからない妹にセックスの味を覚えさせたらどうなる。妹が逃げ帰ったのは、亭主の親族が妹に手を出そうとしたからです。それを聞いたとき、私はあの家に火をつけてみな殺しにし、私の姉弟も女房子どもも全員殺して、青酸カリ自殺しようと思った」
ーーそれを思いとどまらせたのは、政治家秘書というお立場だったんですか。
「いや、それより女房の顔です。女房はその話をすると、えーんって泣くんです。そのくせ、オレはふだんは、新橋あたりで仕事と称して飲んでいる。もうとんでもなく醜い男です。姉弟や田舎のことを考えると、子どもの頃からずっと叫びたいくらいの気持ちです」
『小泉政権ーー非情の歳月』 佐野眞一、2004。
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