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「狼よさらば」Death Wish, 1974.


アマプラリンク

 午後ローの録画をいま頃観た。

先日観たジョディーの「ブレイブ ワン」という映画とまったくプロットが同じだった。結末に至るまで。つまりこっちが先なのだ。

そしてブレイブワンがそうであるように、これも当然バットマンの誕生、スーパーヒーロー物の第一回となっている。ただしきな臭さが遥かに濃い。銃、自警団の礼賛にとどまらず法、警察の不正まで容認するところまで行っている。

途中まで、就中(なかんずく)警察署のシーン(名探偵登場。会議室でなく雑然とした執務室で服装、人種、性別の混交した署員が立錐するその感じがニューヨークっぽい。これ、ダイハード3に影響してんじゃないか)などとてもよかった。のが、その直後からなんだか急激におかしくなってくる。令状もとらず無断で留守宅に侵入捜査(この時点で押収物が証拠能力を失うのはいくらなんでもアメリカだって一緒でしょ?)。検事は「まあこの件はなしにしようや。その方が犯罪が減っていい」言い出す。あげく「拳銃は捨てとくからお前よそ行けや。それでチャラにしてやる」。西部劇か! めちゃくちゃだよ。デュープロセス完全無視のイリーガル対処。

「狼よさらば」「え?」「考えろ」。考えたけどわかんねえよ。しかもなんで最後それを警官が知ってたの? おかしくね?

法に拠らず悪を裁く! というダーティーハリーの先駆で観客は喝采しただろうけど、当時にあっても問題作とされただろうことは容易に想像できる(追記: ダーティーハリーは1971年。先駆ではなく影響下にある)。

ブロンソンの映画を実は初めて観たけど、前半の静かな知識人役などむしろハマっている。なるほどこういう役者さんなんだ。

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