午後ローの録画221118をいま頃観た。とてもよかった。
プロット的にグラントリノとほぼ一緒だが俺はむしろこっちの方がわかりやすい分好もしく感じた。
主人公アールはインターネットが嫌いなお爺ちゃんだしインターネットのせいで仕事を失ったのだが、その彼を駆動するエンジンが実はネットに蔓延する「承認欲求」そのものであるのがうまい。メールひとつ打てないのにやっていることはネット民と同じ。称賛を得るため彼はヤクの運び屋と知りながら抜けることができなくなる。
ワル1号もワル2号も恫喝を任されたチンピラなのに結局はアールの人柄に触れ感化され心服する側に回る。アールが善人だから、ということももちろんあるがここで彼の軍歴をネグるわけにはいかないだろう。つまりヤクの密売をシノギにワルぶってる連中など実戦、本物の殺し合いを生き延びた者からすれば幼稚園児なのだ。格別威嚇も自慢話も必要ない。格は自ずから出るし脅迫も児戯に等しい(わざわざ招待されたのも肝の座りっぷりを見抜く目が親分格には備わっていたということだ)。
しかしなによりよかったのは山田康雄の吹き替え。そうか最近のもやってるのか山田康雄これが遺作かなとか思いながら観てたら……なんと吹き替えは多田野曜平というひと。完全に山田康雄。完コピ。声がそっくりにとどまらず声優として上手い。そうかこういうひとがいるのか。知らなかった。
多田野氏でスペースカウボーイをぜひ新録して欲しい。あるべき吹き替えはイーストウッド山田康雄、トミーリージョーンズ小林清志でしょどう考えたって(しかしそうすると二代目小林清志師匠も必要になる)。
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